
「いらっしゃいませ」
エレベーターを降りた時点ですでにあやしさ充満状態なのだが、きちんとした身なりをした初老の紳士は、僕の姿に気づくや落ち着いた口調で言った。こちらを向いた目の端っこに「なんだコイツ?」と書いてあったことは見逃しておこう。
ともあれ金400円ナリを支払い、さっそく脱衣場へ。
ひ、人がいねえ!
なんと客がひとりもおらず、いきなりの貸し切り状態である。実は取材前の打ち合わせ時、当コンテンツのスタッフには「他のお客さんもいるからお湯は撮影できませんけどね」と断っておいたのだが、これならイケる!
焦ってサササーッと服を脱ぎ、デジカメ片手にコソコソコソッと浴場に突入していった自分の勇敢な姿勢に、我がことながらホレボレする。が、ちょっとあやしい。
って、いつの間にか自分自身があやしくなってた!
それにしても、撮影後にゆっくり堪能した三福温泉、結果からいえば大合格だ。壁にかかったプレートの「源泉近くに祀られている三福神のご加護と、最新の科学に裏付けられた成分と効能を有する湯が、古代檜の浴槽に溢れています」というフレーズはやはりあやしいが、源泉の名に恥じないレベルの高さである。これは商業目的というより、おそらく社会貢献事業なんじゃないだろうか。そのわりに客がいないけど、予想以上にトクした気分だった。
あ、ちなみにフォローしておくと、僕があがって着替えているとき、いかにもご近所さんという感じの老人が立て続けにふたりはいってきました。やっぱり地域に根づいているのかも。
2008-06-05 Mycar-life *新「Music*car=life」は毎月更新予定です。