
僕の車はガソリン車じゃありません。音楽で走りますので、その前夜に計算されたプレイリストを作成しないとならない。天候と、高速に乗るまでの時間、車内での会話の予想量、帰路の夜空と夜景の現れ方まで吟味します。もちろん同乗者の趣味も考慮しなければならない。そこまで考えても失敗する時もある。空気中で分離、ガス欠。
最近忙しくて、持ち前のサービス精神も発揮できないな(音楽ファンには元々サービス精神が旺盛な人が多い)。
そんな時にお勧めなのがこの一枚です。なぜ勧めるかは石原良純に聞け。つまり単純明快。曲名がアウトバーン(高速道路)だからだ。ピーカンに晴れている時に聞くのが最も好ましいが、天気予報が外れ、雨でもそこそこ良しとされるのもご愛嬌。交響曲仕立ての長い曲ですので、小旅行の高速道路にピッタリです。
最近はカーナビやらすっかり進化してますね。この曲を聞いていると、車がSF小説や手塚治虫のマンガに出てくるロボットになったように想像されてきて、キラキラ憧れるものと所詮は機械である物悲しさとを両方兼ね備えているようなそのいじらしさが愛車心をくすぐる。彼らの悲しみは同類奏でる電子音の悲しくも滑稽な讃歌に見事融合し、戯れ合うように躍進します。
ここドイツのアウトバーンはテクノロジーの結晶である戦争が産み出したもの。皮肉とユーモアが詰まったこの曲で、ちょっと胡散臭いけどワクワクするような科学万博に向かうみたいな気分に。ロボットと共に平和な国を!キラキラ光る窓ガラス越しに。そんなユートピア感が溢れ出し、未来の正しきテクノロジーの夢が膨らみます。
どうか皆様の快適で安全な旅を。ファン!ファン!ファン!アウディ、アウトバーン!

webデザイナー/映画製作
1977年生まれ。イメージフォーラム27期出身。趣味、素潜りだとか旅。家では棚ばかり作ってます。
2008-04-14 Mycar-life *「Music*car=life」は毎週月曜日更新予定です。