Music*car=life∞に楽しむ、旅好きトークリレー

Elvis Presley『The Sun Sessions CD: Elvis Presley Commemorative Issue』

石原顕三郎(the Travellers, vo/g)が選ぶ 今週の一枚

The Sun Sessions CD: Elvis Presley Commemorative Issue / Elvis Presley RCA
【1987年】サム・フィリップスが設立したメンフィスのレーベルSun Recordsでの、エルヴィス最初期のレコーディング集。没後30年を過ぎた今でも世界中で愛され続ける、優しくもワイルドな彼の歌唱スタイルがこの当時から完成していた事を世に知らしめる名盤。

#047: 石原顕三郎(the Travellers, vo/g) 「真夜中に独りで聴きながら走行距離を伸ばしたくなる…そんな作品。」

子供の頃、家族旅行に出掛ける時は車での移動がほとんどだった。兄弟がそれぞれ好みのレコードから録音したカセットテープを聴くのが楽しみだった。その時どこに向かって何を聴いていたか、なんて事を20年以上たった今でもふと思い出す事がある。70年代のサディスティック・ミカ・バンドを聴けば夏に行った長崎を思い出すし、冬に大分の親戚に会いに行った場面を思い出すのはロニー・スペクターの歌声を聴いてる時だったりする。オーティス・レディングやミッチ・ライダーを聴けば免許を取ったばかりの兄と流していた街の風景が甦る。自分でハンドルを握る様になった現在も、変わらずいろんな音楽を聴いて過ごしている。幸いな事にバンドでツアーに出る時はメンバーの持ち込んだ膨大な枚数のCDを楽しめるし、プライベートでドライブをする時は友人のくれた音源を何枚も再生している。これからも時の場面と共に、新たな記憶が蓄積されて行くのだろう。

おかげで、既に自分の中で名曲名盤は数えきれない程存在しているが、“残念ながらどれも聴きたくない!”と言うわがままな瞬間がたまに訪れる。その時に必ず戻れる場所とでも言うのか、移動する密室の中で心を高揚させてくれるのが、『The Sun Sessions CD』だ。RCA以降のゴージャスなエルヴィスは小学生時代から聴いて来たが、後に出逢ったSUN RECORDS時代の若きサウンドはいつ聴いても新鮮で、決して色あせる事がない。 タイトルの響きとは逆かも知れないが、真夜中に独りで聴きながら走行距離を伸ばしたくなる…そんな作品だ。

石原顕三郎

石原顕三郎(the Travellers)

ヴォーカリスト/ギタリスト

1971年生まれ。福岡県出身、福岡県在住。活動10周年を迎えたバンドthe Travellersは98年の初リリース以降、国内にとどまらず海外にも独自のサウンドを発信し続けている。

2008-03-24 Mycar-life *「Music*car=life」は毎週月曜日更新予定です。