Music*car=life∞に楽しむ、旅好きトークリレー

Alzo『Alzo』

シンガーソングライター、sowan songが選ぶ 今週の一枚

Alzo / Alzo BMG JAPAN
【2003年初CD化/1971年作品】NY出身のシンガーソングライターAlzo(アルゾ)の1stアルバム。12弦ギターと甘くてほろ苦いファルセットボイスを武器にあらゆるジャンルを行き交いつつ独自の美しい世界を紡ぎだしている。長過ぎる不遇の時代からようやく抜け出し、2003年に待望の世界初CD化に至るも2004年に急逝。

#041: sowan song(シンガーソングライター) 「どんな街でも人は力強く生きている。そんな当たり前の風景がぴったりとハマる名盤。」

年に数回いろんな人に歌を聴いてもらいたくて、ギターとCDをトランクに積み込んで街から街へ歌の旅に出ます。そう、もちろん車で。

そういうことをしてると当然ながら知らない街や場所にたくさん出会うんです。いろんな街で様々な生活があってみんな毎日何かをしながら生きているってことを車のウインドウ越しに民家の庭、屋根、道の看板、とおりすがりの子供や老人に感じながら走っているのが静かな刺激になることがあります。

以前とある街を走っていてそんな刺激がまた湧いてきた時に、車のオーディオから流れてきたのがこのシンガーソングライターAlzoの1stアルバム『Alzo』でした。その美しい旋律は、縦に走っていく道のりの左右に広がる世界の奥深いところまで一気に浮き彫りにしているようでした。先輩ミュージシャンに勧められて聴いたのがきっかけで密かに感動の嵐に巻き込まれていたのですが、この時はこの音楽の本当の力を知った気がしました。

どんな街でも人は力強く生きている。そんな当たり前のことが、Alzoの真摯に音楽に向き合って紡ぎだした美しいメロディーやジャンルを越えたアレンジとぴったりハマったのです。彼はアメリカ音楽ビジネスのなかで不遇な時代を過ごしながらも音楽に対して常に真剣でした。長いトンネルを抜け、ようやく2003年にアルバム再発が決まるも2004年彼は急逝してしまいます。しかし、その埋もれていた宝物の様な音楽はファンを増やし続け、こうして僕のところにも届いたのです。

車で走りながら見る街並やその街の空気。どの街にも淡々と過ぎる辛さの多い生活がある。その中で楽しみや喜びを見つけ出し、好きな人や仲間で分かち合う。そんなことをアルバム一枚で僕に感じさせ演出してくれる音楽は他にはあまりない。

もちろん車での音楽の楽しみ方は様々ですが、車で走って街を見てふと僕と同じ感じ方をする方がいたら一度このアルバムを聴きながら知らない街を走ってみてください。きっと感じる「何か」があると思いますよ。

sowan song

sowan song(ソワン ソング)

シンガーソングライター

1971年生まれ 大阪府出身。2003年10月よりソロ活動「sowan song」を開始。愛と笑いがある楽曲、ライブを目指す。2005年『ノスタロジカル』、2007年2月『瞬間線』、2007年12月ライブ盤『ムスビナオシ』をリリース。オリジナルとは別に70年代トリビュートアルバム『SUNNY ROCK』に南佳孝さんの楽曲で参加。現在ライブ活動と平行しながら3rdアルバム鋭意制作中。

2008-02-11 Mycar-life *「Music*car=life」は毎週月曜日更新予定です。