【DIATONE SOUND.NAVI NR-MZ80】全容をリポート! #3: サウンド・インプレッション(試聴ルーム編その2) | Push on! Mycar-life

【DIATONE SOUND.NAVI NR-MZ80】全容をリポート! #3: サウンド・インプレッション(試聴ルーム編その2)

発売早々、需要に供給が追いつかないほど人気になっているという「DIATONE SOUND.NAVI」NR-MZ80シリーズ。

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【DIATONE SOUND.NAVI NR-MZ80】全容をリポート!

発売早々、需要に供給が追いつかないほど人気になっているという「DIATONE SOUND.NAVI」NR-MZ80シリーズ。

その能力の全容をお伝えすべく連載している当コーナーだが、今週は先週の試聴ルームでのサウンドインプレッションの続編をお送りする。

先週のレポートでは、イコライザー等がフラットな状態で素の音を聴いた率直な感想をお伝えした。さらに今モデルは、DSPが進化していることも大きなトピック。DSPをかけた状態ではどのような音なのか…。今週はそこのところをじっくりと解説していく。

ところで前作NR-MZ60でもDSPの能力は高かった。搭載されていたのは、40bit演算というハイスペックなDSP。しかし今モデルではそれをさらに上回る「64bit演算コア・アジャルタブルFIR DSP」を搭載している。その精度差はなんと約1677万倍という。

そして今回のDSPの進化ポイントは、bit数が上がったことだけには留まっていない。名称の通り『アジャスタブルFIR方式』を使って信号処理を行うという点が特筆点なのである。この方式にはどのようなメリットがあるのか。それはずばり、「演算誤差が少ない」ことだ。


三菱電機「DIATONE SOUND.NAVI」大注目のニューカマー『NR-MZ80シリーズ』の全容をリポート! #3: <span>サウンド・インプレッション(試聴ルーム編その2)</span>

通常のDSPで行われている信号処理の方式は『IIR方式』である。これは、周波数軸上の任意の部分を容易に調整可能というメリットがある反面、演算bit数が少ない場合には音質劣化を生じてしまうというデメリットがある。それに対して『FIR方式』では、周波数上の任意部分のみの個別調整が困難、というデメリットがあるものの演算誤差が少ない、というメリットがある。

そしてNR-MZ80シリーズで採用されている『アジャスタブルFIR方式』とは。これは「IIR方式」と「FIR方式」のいいとこ取りをした方式だという。これは80万円もするDIATONEのデジタルプロセスセンターDA-PX1と同様の方式だ。

「IIR方式」で調整し、その後に、音質に有利な「FIR方式」に変換するというものだ。調整性の良さと、音質の良さを両得しているというわけだ。

それが実際にどのくらいの音質向上につながっているのか、「IIR方式」でイコライザーをかけたときの音と、『アジャスタブルFIR方式』でイコライザーをかけたときの音を聴き比べてみた。

違いははっきりとわかった。「IIR方式」の音のほうは、音楽が味気なく感じれられた。迫力がそがれ、みずみずしさが減っている。それだけを聴いていたらキレイな音だと感じるのだが、比べると音が痩せているのがわかる。「IIR方式」では、演算誤差により情報量が失われてしまっていたのだ。

「イコライザーはなるべくなら使わないほうがいい」というのはカーオーディオにおける1つのセオリーでもある。ピークやディップを整えるのがイコライザーの役目だが、イコライザーを使う以前に、インストールを追い込むことでピークやディップを無くそうとするべき、というセオリーなのだが、その意味を身をもって確認することができた。


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そして『アジャスタブルFIR方式』ならばある程度イコライザーに頼っても、音質劣化はほとんどない。これは画期的な性能と言える。ちなみに、NR-MZ80PREMIでは、フロント左右独立31バンドのイコライザーを『アジャスタブルFIR方式』で行え(リアは左右独立10バンド)、NR-MZ80ではフロント・リア左右共通10バンドイコライザーを『アジャスタブルFIR方式』で行える。同様にクロスオーバーネットワークも『アジャスタブルFIR方式』である。

素の音が素晴らしく、かつ調整しても音質が劣化しないNR-MZ80シリーズ。ハイエンドヘッドユニットとして死角はない。

さて、来週はデモカーでの試聴と、音質機能以外での見どころについて解説したい。来週も「DIATONE SOUND.NAVI」のストロングポイントを、さらに掘り下げていく。

《太田祥三》

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