
ビーウィズユーザーの祭典『BEWITH SOUND CUP』が9月28日(日)に大阪南港で開催された。エントリー台数は4クラス合計で56台。レギュレーションに沿ってプロショップの技術、ユーザーの個性が反映されたシステムが数多く揃った。今回もMycar-lifeショップ検索登録ショップが大活躍! 登録ショップを中心に各クラスの優勝車両を紹介する。
福井県の岩崎さんはシルバー・メタリックのフォルクスワーゲンGolfIVでプレミアムクラスにエントリーし、見事に第一位の栄冠を獲得した。インストールを手掛けたのは本年度のビーウィズサウンドコンテストで第二位入賞を果たしたMycar-life登録ショップ、福井のLaluz。同店は過去のビーウィズサウンドコンテストにおいて西日本ブロックで第一位を3回連続で獲得するという偉業を成し遂げている。その3勝目を獲得した時の車両がフォルクスワーゲンのゴルフワゴンであったのは今回の第一位獲得と無関係ではないように思う。フロントのC-130もC-50もゴルフIVのインテリアの雰囲気を損ねることのないインストールが施されていたがトゥイーター周囲にはフロントホーン形状のバッフルが設けられているのが特徴的だ。これによりC-130とのスムーズな繋がりを実現しているようにも思う。広くフラットな周波数レンジとSN比、解像度を確保した色づけのないナチュラルなサウンドを実現していた。またピアノや打楽器のアタック音もスムーズに立ち上がり、コンテンポラリー系のマッシブな低音のビートも正確に制動し音像も適度なタイトさがある。また小音量で聴いても低音楽器の存在感を薄くすることがなく実在的な音像を浮かびあがらせキックドラムのアタック音も軽くスピーディに立ち上がる。ラゲッジ・スペースの犠牲も最小限に抑え実用車のお手本といえるGolfIVの機能性をスポイルしないのも好ましい。
リフレックスシルバーメタリックの新型パサートでプレミアム・クラスにエントリーし見事に4位入賞を果たしたのは後藤浩一さん。インストールを手掛けたのは広島県のaMuseだ。2本のC-180をベースにした3ウェイ・マルチ・システムが構築されている。そしてトランクルーム床に整然と並んだ6基のA-110Sが美しさを際立たせていた。C-180を2基搭載しているが低域に強調感のないバランスの整ったサウンドが構築されていた。またS/Nも良く「悲愴」の弱音部も音像が鮮明でホールの残響成分にも濁りが感じられない。また「ジュビレーション」は2trダイレクト録音らしく鮮度の高さが感じられ個々の音像が鮮明で生き生きとしたプレイが展開された。「アウラ」のハイノートもナーバスな響きを感じさせることがなく滑らかなハーモニー感が得られる。また「ケリー・スウィート」のヴォーカルも音像が適度なサイズで細部の表情も瑞々しく再現された。
高橋要一さんは千葉県から自走してプレミアム・クラスに挑戦。惜しくも入賞を逃したが入賞車とは僅差でインストール技術や調整の水準は極めて高い。担当したのは本年度のビーウィズ・サウンド・コンテストで見事に1位の栄冠を手にした千葉の名店“プロショップ・ヴォーグ”だった。静粛性の高いセルシオ内に構築されていたのは広いレンジと絶妙なバランスの自然なサウンド。ボトムエンドまでの伸びと解像度がいま一つと思えたが、それ以外は完璧と言っても良い程のチューニングが施され海外製アンプにありがちな硬質感やキャラクターを抑制し中域から高域にかけて自然で美しい響きを実現しているのが素晴らしい。そして「ジュビレーション」のトロンボーンは明快な鳴りの良さが感じられ「悲愴」のトゥッティも荒れた響きを感じさせることがなく安定感のあるサウンドが聴けた。そして弦楽器群のピチカートも立ち上がりがスムーズでニュアンスに富んでいた。
精悍な印象を与えるブラックのフォルクス・ワーゲンGolfVで埼玉県から自走して参加したのは高木清貴さん。高木さんのGolfVは昨年、大手ブランドのサウンドコンテストにエントリーしユーザーカー部門で第一位を獲得した実績を誇る。C-130のバッフル部などに配されたレッドの内装がアクセントとなっている。C-180サブウーファーに十分な容積を確保したエンクロージャーを与えているだけにボトムエンドまで伸びたリアルな低音再生を可能にしていた。サブウーファーユニットは音楽ジャンルによって低域の解像度が幾分甘く感じられたが低音楽器の質感を損ねることのない再生音が得られている。ヴォーカルなどの質感も自然でコンテンポラリー系ソフトの低いチューンのキックドラムもアタック音がスムーズに立ち上がり、ビーウィズのパワーアンプやスピーカーユニットの過渡特性の良さが十分に発揮されていたように思う。
津田光徳後さんはブラックのホンダ・オデッセイでプレミアム・クラスにお子様と一緒にエントリーし第2位入賞を果たした。AZ-1Bianco Fujiをはじめとする高級機で固めた本格的な5.1chシステムを構築、センターchやリアのサラウンド用までコンフィデンスで構成するという贅沢なシステムのインストール。5.1chシステムの場合、中低域にエネルギーの高まりが感じられるサウンドを聴かせるケースが多いが津田さんのオデッセイは強調感のないバランスの整った音が構築されていた。ニュートラルなトーンで色付けやキャラクターを感じさせることがない再生音で低音域も無理なく伸び、響きの豊かさがあるがキックドラムなどの音像も輪郭が鮮明で適度に制動が効き、切れの良さがある。また中域から高域にかけても、いたずらに高域レンジを欲張ることなくナチュラルで充実感のある音を聴かせていたのが好ましい。
ゴールドクラスはMM-1とAZ-2を使い、スピーカーをビーウィズ製としたクラスで、アンプに指定はない。このアルファードはスピーカーをコンフィデンスとし、アンプのリファレンスの4chと2chを搭載している。そのゴールドクラスで優勝したのはMycar-life登録ショップ『BORN TO RUN』からエントリーした木村さんである。サブウーファーは1基、他にレギュレーターR-70Aも装備する。
アルファードというクルマの大きな空間を生かし、広々とした鳴り方をするシステムに構成しているようだ。ダッシュボードの奥行が深いため、トゥイーターまでの距離がかなり取れる。ミッドウーファーはアウターバッフルでの取り付け。サブウーファーはリアシート側に置き、ラゲージはアンプとプロセッサーだけとしてスペースを有効に使っている。
リファレンス・アンプがコンフィデンスをうまく駆動しているのは、AZ-2の精度によるところも大きいだろう。立ち上がりのスピードや解像度に不安がなく、若干華やかだが芯のしっかりした音調を確保している。
ミッドウーファーがアウターバッフルだけにわずかにエネルギーのロスが感じられるのは惜しいが、そこをサブウーファーで無理に補おうとせず、すっきりとした低音にまとめているところが調整の巧みさである。
コンフィデンスの情報量が生きて、特に高域の出方に厚みがある。アカペラやコーラスの存在感が高く、オーケストラのディテールもリアリティに富んで鮮やかだ。音数の豊富さを十分に引き出した再現性である。
今年6月のビーウィズサウンドコンテストに、オープンクラスで参加したオデッセイである。装備はそのときから変わっていないそうだが、調整には手を加えているという。
スピーカーはコンフィデンスだが、アンプはアキュレートが3台とリファレンスの2chが1台。サブウーファーとトゥイーターにアキュレートを充て、ミッドウーファーは208Sというやや変則的な構成である。
立ち上がりがよく伸びやかな音調だ。7月のときに比べると若干おとなしくなった印象だが、それが調整の変更に関係があるのかもしれない。つながりがよく、いたって滑らかなレスポンスを獲得している。
アカペラやコーラスは透明感に富んで余韻が豊か。存在感が高く、ややホログラフィックな感触で一人々々を鮮明に描き出す。オーケストラも質感が非常にきれいで濁りがなく、解像度の高さが十分に生かされた印象だ。厚みをやや控えて抜けのよさを引き出している。
コンフィデンス・スピーカーをR-407で鳴らすシンプルだがハイグレードなシステム。A-110Sはサブウーファー用に使っている、ゆくゆくは全てA-110Sにするのが理想だが、現状でも十分な再現性を獲得している。トゥイーターとミッドウーファーとのレベルが揃い、クロスオーバー付近の暴れをイコライザーで無理にまとめるというよくありがちな落とし穴にはまることもなく、バランスのいいレスポンスと厚みを備えてナチュラルな鳴り方だ。サブウーファーも遅れることがなくつながりも滑らか。ただひとつだけ問題なのは、サブウーファーのボックスにアンプを取り付けていることで、振動によるモジュレーションが生じることになる。そのせいかどことなくピントが来ない印象だが、アンプを外せば解消されるはず。スペースは多少取られるが、そこはまた工夫してほしい。取り付けも堅牢で調整も大変うまくいっているので、先の発展も楽しみなシステムである。
R-208Sでリファレンス・スピーカーを鳴らすという、極めて正統派のシステム構成だ。サブウーファーも搭載し、レギュレーターで電源系も強化している。このまま何もしなくても一定以上の音は出るという水準だが、鍵はやはりAZ-2の調整にありそうだ。
バランスよく整った音調は質感も厚手で低域もしっかりしている。コンフィデンスに比べるとどうしても薄めになるのがリファレンスの特徴といえるが、そこを考慮して高域を控えめに鳴らし、厚みを持たせようとしたチューニングのように思われる。その意味では成功しているといってよく、S/Nのよさなどビーウィズ・システムとしての特質をきちんと備えているのが巧みだ。
欲をいえば、このままの厚みで高域をもうひとつ伸ばしたい。ジャズではピアノやトロンボーンの切れ、コーラスやアカペラでは響きの抜けが欲しいところ。わずかな調整でさらに完成度を高めることができそうである。
5年前にコンフィデンスが発売されたときから憧れていたというオーナー川本さんのタントに、クルマ全体を考えて軽自動車とは別の形に仕上げたという。MM-1を始めAZ-2、アキュレート・アンプという最高峰のシステムを、小空間に満載したシステムである。大型車とは違ったコンパクトなスペースで、密度の高い音楽再現をどれだけ実現できるかというコンセプトのようにも思える。
コンフィデンスの音数の豊かさが利いて、中身の濃い音調が再現されている。ジャズのピアノやトロンボーンなど、質感に重みが乗り腰の落ちたバランスだ。ミッドウーファーのエネルギーが逃げずに生かされている印象。コーラスやアカペラは整ってハーモニーが厚く、また声に肉質感がある。オーケストラも手応えのある鳴り方だが、欲をいえばトゥイーターとミッドウーファーのバランスをさらに追い込めれば面白い。低音も切れ味よく決まっているので、わずかな調整で済むはずだ。
シルバークラスで優勝したのはオデッセイのオーナー金森大輔さん。インストールを手掛けたのは石川県のサウンドプロジェクトだ。搭載していたのはコンフィデンスシリーズのスピーカーで構成される3ウェイシステム。これを3基のR-208Sでマルチ駆動していた。プロセッサーはカロッツエリアDEQ-P01IIを使用することでコストを抑えつつ高音質化を図っている。ベージュ系のカラーでインテリアを統一しサブウーファーやアンプ周りにLEDを配し見せる要素を盛り込みながら高音質化を果たしている。またラゲッジスペースの容量も確保しているのも好ましい。特にfレンジの広さを感じさせるサウンドではなかったが帯域内に密度の高さを感じさせる明瞭度の高い再生音を得ていた。また個々の楽音の輪郭を鮮明に浮かび上がらせるがエッジを強調する傾向はなくアコースティック楽器やヴォーカルなどのしなやかさを自然に引き出していた。「ケリー・スウィート」のヴォーカルも瑞々しさが感じられキックドラムやベースなど低音楽器の定位感も鮮明でバックのコーラスも自然に広がるという印象だ。そして30dB近い音量差を一気に立ち上げるDレンジの広い「悲愴」のトゥッティは臨場感があり、弱音部の静寂感を忠実に再現するSN比が確保されていた。そしてセクション配置も鮮明でフロント・ウィンドウに展開される音場には広がりと奥行きが感じられた。
トヨタセルシオでエントリーしたのは中島隆晃さん。中島さんは理想的な信号伝送を行うべくアルパインのプロセッサーのデジタル接続を可能にすることで理想的な環境を構築したという。2本のアリアンテ10Siをベースとしビーウィズコンフィデンスのフロント2ウェイで3ウェイマルチシステムを構築していた。駆動アンプはZapco C2K-4.0Xと2基のARC Audio製パワーアンプだ。中高域に充実感があり「ケリー・スウィート」のヴォーカルは幾分子音が強まるが音像の輪郭は鮮明に描き出される。高域はスムーズに伸び高い透明度が確保されていた。「ジュビレーション」は音楽的なバランスが良く鮮度の高い生き生きとした演奏が聴けた。「悲愴」はデジタル録音ならではの鮮度の高さが感じられ個々の楽音は質感がナチュラルで色付けのないピュアな響きを聴かせてくれた。ビジュアル系のインストールといえるが音質や機能性をスポイルしていないのが好ましい。
ホワイトコースはMM-1とリファレンスまたはアキュレート・スピーカーを使用し、プロセッサーとアンプは制約なしという最もオープンなクラスである。ここで優勝したのがMycar-life登録ショップ『aMuse』からエントリーした高田さんのMRワゴンだ。
スペースの小さなコンパクトカーには空間的な限界もあり、またボディの強度という点でも難しさがつきまとう。さらにエンジンの振動といった問題も抱えているわけだが、そうした事柄を越えて丁寧にインストールされた印象がある。また制約が少ないだけに、ユーザー事情といったものが反映されやすく、プロセッサーは以前のヘッドがアルパイン製だったことから、そのまま搭載されているのだそうだ。またアキュレート・アンプ1台はサブウーファー用。クロスオーバーはスピーカー付属のネットワークだということだが、CMX-200のフィルターを利用することも考えられそうに思う。
分解能が高く音数も多い。わずかに高域で詰まった感触も残るが、バランスよくまとめられて低音のスピードにも不足がない。コーラスやアカペラが透明で響きが澄み、ハーモニーに濁りがなく肉質感に富んだ声の出方をする。ジャズもトロンボーンの音色やピアノのタッチがちょうどよく整い、ベースもにじまずくっきりしている。オーケストラでは空間の遠近や位置感を正確に捉えてリアリティが高い。このうえさらに高域の伸びが加われば、硬質感も消えていっそう理想的だ。
2008-10-02 [TEXT:井上千岳/小林貢/ PHOTO:小田健市]
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