
今回の全国統一ビーウィズ・サウンド・コンテスト、プレミアム・クラスで優勝の栄誉を得たのは千葉の“プロショップ・ヴォーグ”が製作したBMW320i M-Sportsだった。
このBMW320は一昨年のビーウィズ・サウンド・コンテストに於いて東日本ブロック第一位の栄冠を獲得したクルマであるがDAコンバーターがカロッツェリアRS- P90xから今回のコンテストのレギュレーションに従ってビーウィズAZ-1に変更されている。単に変更しただけでなくフロントのメインスピーカーC-130のエンクロージャーを新たに製作するとともに徹底的に車内データーを取り、入念なチューニングを施したという。インストーラーの渡辺氏が目標としたのは「何も加えず、何も失わない」高忠実度再生。これはホームオーディオにおいても永遠のテーマであると同時に究極の目標でもある。
搭載されるのはミラーメディアMM-1、ミラーステーションAZ-1、アキュレートA-110S、コンフィデンスシリーズのC-180、C-130、C-50というビーウィズ最高峰のコンポーネンツだが、これはプレミアムクラスのレギュレーションに従ったもの。このシステム構成は現代のカーオーディオにおいて誰もが認める最高水準のクォリティを実現したコンポーネンツで固めたと見ることができる。そして同クラスの参加車両は、すべて同じシステム構成だ。そのサウンドは一般的なレベルで見たら(聴いたら)ほとんどネガティブな要素を感じさせることのない完成度の高さがある。そんな熾烈でシビアなコンペティションにおいてトップとなったヴォーグのBMW320は両エンドが何のストレスも感じさせることなくスムーズに伸び強調感や色づけのない素直なサウンドが実現されている。
今回の審査で僕が使用した「リチャード・ボナ/ライブ」と「スティーヴ・タイレル/バカラックへの想い」は20〜30Hz付近の超低音のビートが録音されている。この低音がそよ風のように軽やかかつスムーズに立ち上がってくるか? 30Hz以下の帯域の位相に乱れがないか? がポイントになったように思う。他の多くの参加車両は40〜50Hzまでの低音域では位相の乱れなど感じさせず一般的なカーオーディオの概念であれば何の問題もない。それと同時に従来のカーオーディオのようにサブウーファー領域の音が背後から聴こえるような傾向はなく位相差も感じさせずナチュラルで解像度の高い低域再生能力を見せつけた。そんな中にあってヴォーグのBMWは「何も加えず、何も失わない」というインストーラーが掲げた至高のコンセプトを高次元で実現していたのだ。それはビーウィズ・サイドで取った測定データーにも明確に現れていたという。ソフトの音を正確に車内で再構築する、そのサウンドは何処にも強調感がない。そのためブランドの個性やサウンドを好むファンにとっては物足りなさを覚えるかもしれない。しかし、アキュレートなサウンドという意味で捉えたらヴォーグのBMW320iは現代カーオーディオにおける最高水準のレベルに達しているといえる。
2008-07-10 [TEXT:小林貢/ PHOTO:小田健市]
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