
Proシリーズはシステムスピーカーといって、セパレートでもコアキシャルでも様々な使い方ができる。ラインアップの中ではSPZシリーズに次ぐ位置付けで、ボストンの中級機として人気が高い。ネットワークがハイ/ロー別々になっているので、このままでバイアンプに対応することができるのも面白い。
弾みがよくエネルギーの高い鳴り方だ。トロンボーンは明るく張りがある。若干軽めだが音数は多く、解像度も取れて混濁することがない。ドラムやピアノも明確でにじみのないタッチだ。
アカペラは声の伸びに詰まりがなく、ハーモニーがきれいに重なる。濁りや歪みがなく、響きも澄んで大変きれいだ。ボーカルはギターやベースの当たりがややソリッドに感じられるが声は清々しく、表情にもくせがない。フォーカスのぴったり来るのが快い。
ピアノはピントの合い方がよく、タッチが引き締まって起伏に富む。瞬発力の高さと反応の速さが音楽の陰影を自在なものにしている。ボーイソプラノは少しきれいすぎるほどの印象で、高域へ思い切って抜け、少しも詰まったところがない。余韻が広く響き、ハーモニーが澄み切っている。
スピーカーの緻密な再現性、高解像度で引き出した音調といっていい。

70W×4chパワーアンプ 134,400円
低音は心持ち軽いが、バランスがよく、どの帯域にもエネルギーがたっぷり乗って溌剌とした鳴り方だ。トロンボーンは厚手で音色がちょうど合っている。ピアノやドラムもくっきりしたタッチで、ベースはやや弱いもののにじみがない。細かなディテールが豊かに聴こえるのも特徴的だ。
アカペラは声の肉質感が厚く、ソプラノもアルトも安心して聴いていられる。ハーモニーも濁りなく重なり、ふっくらとした厚みが快い。ボーカルはベースやギターが豊かで、声の感触はちょうどいい。表情は全くくせがなく、きめ細かくナチュラルそのものだ。
ピアノはクロス辺りでもうひとつ抜けると申し分ないが、響きの乗ったタッチがにじまず、表現の陰影が深い。緻密な再現だ。
ボーイソプラノの声が繊細でハーモニーの響きが大変豊かだ。広々とした再現である。
駆動力と動きの軽さが、スピーカーの音調とうまく調和した印象だ。
シャープで全体に立ち上がりが速く、ことに低音の瞬発力が高い。ベースやドラムがくっきりと聴こえ、量感もたっぷりしている。トロンボーンの音数が多く、それが特徴でもある。明瞭でにじみがなく、豊かなエネルギーがみなぎっている。
アカペラはソプラノがややシャープにすぎる印象がある。しかし肉質感のしっかりした充実した感触と濁りのなさが目覚しい。ボーカルもソリッドに整っているが、もうひとつほぐれないのはスピーカーとのマッチングということかもしれない。
ピアノもかっちりと締まり、表情がきめ細かく描かれる。ボーイソプラノはきれいな響きで、からりと乾いた手触りだ。余韻が澄んで、軽快な鳴り方をする。
鋭敏な再現性だが、多少それが強く出た印象も残る。この精密さを生かしたいものだ。

85W×4ch ハイブリッド真空管アンプ 136,500円
レンジがそう広い方ではないが、当たりのよさが独特の雰囲気を作り出している。トゥイーターが鳴らしきれないのか詰まった感触だが、時間がたてば慣れてくるはず。ベースなどの把握も強靱ではないが、手触りのいい出方だ。トロンボーンは厚手で柔らかく、ピアノも丸いなりににじみがない。
アカペラは高域の鋭さがなく、もうひとつ伸びの欲しいところだが、声の肉質感はある。ハーモニーも厚手に重なり、瑞々しさも失われていない。さらに伸びれば特徴が生きる。
ボーカルは質感が厚く、ゆったりとした鳴り方に好感を覚える。声が低めに出るが、それが魅力でもある。当たりの柔らかさと潤いがいかにも管球らしい。
ピアノは高域がおとなしいが、タッチの表情はきめ細かく、微妙な陰影をよく描き出している。
ボーイソプラノは瑞々しさがよく利いて、余韻の響きがよく広がる。声は細身だが、棘っぽさがなく、当たりのいい出方だ。
真空管の潤いと手触りのよさが発揮された再現性といっていい。
2008-05-08 [TEXT:井上千岳/ PHOTO:Mycar-life編集部]
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