カーオーディオのスタートライン コアキシャルスピーカーの実力を知る

#3: ロックフォード・ライトニングオーディオ編

リファレンス機器

carrozzeria DEH-P730 + CD-UB10

carrozzeria DEH-P730 CD/チューナー・WMA/MP3/AAC/WAV対応・DSPメインユニット 36,750円

carrozzeria CD-UB10 USB用アダプター 15,750円

今週はロックフォード・グループの代表的なブランドであるロックフォード・フォスゲートとライトニングを取り上げる。

ロックフォードについてはあらためていう必要もないほどだが、アメリカンカーオーディオの代表的な存在だ。いま大ヒット中のパワーアンプT600シリーズを始め昨年はアンプで大きな飛躍を遂げたが、その勢いでスピーカーにも進化が見られる。比較的ベーシックなコアキシャルというジャンルで、どんな音が出てくるのか楽しみである。

ライトニングオーディオはキャパシターから出発して現在では総合的なカーオーディオブランドに成長したが、比較的手頃な価格で良質な製品が目を引く。同じグループということでロックフォードの技術も取り入れられ、今後の期待されるメーカーである。

Rockford Fosgate P162C

Rockford Fosgate P162C

16.5cm・2ウェイ・同軸スピーカー 18,060円

ベーシックな2ウェイコアキシャルである。やや薄い感じもあるが、バランスが取れてよく鳴るスピーカーだ。ジャズはトロンボーンの響きが若干薄めだが、華やかで屈託のない響きを描き出す。ピアノも軽快だがタッチがクリアで勢いがいい。ベースやドラムなど総体に上寄りではあるが、調整で重心を下げることは十分に可能だ。引っかかりがなく元気がいい。アカペラは余韻がよく伸び、ソプラノの声にも棘がない。もうひとつ厚みは欲しいが、肉質感は失っていない。分解能がよく、混濁がないので、これをベースにして音を作ってゆくことができるのである。

ボーカルは明るく歯切れがいい。声が若い印象で、やや細身ではあるがそれが持ち味で、清々しさが出ている。ピアノソロもタッチが非常に明瞭で切れのいい鳴り方をする。またボーイソプラノは軽さが夢幻的な雰囲気につながり、余韻のよく乗った伸びやかな感触を作り出す。歪みっぽさがないため、耳障りな硬質感がないのである。

Rockford Fosgate P163C

Rockford Fosgate P163C

16.5cm・3ウェイ・同軸スピーカー 18,060円

P162Cと価格は同じだが、こちらは3ウェイ構成である。通常の2ウェイにスーパートゥイーターを加え、高域レスポンスを広げる設計といっていい。

上から下までバランスが取れて、凹凸のないレスポンスを確保している。分解能もよく。ジャズではピアノやドラムなどが明快に分離して鮮やかだ。またトロンボーンも若干軽快だが伸びやかで、張りのある輝かしさもぴったり決まっている。ベースの把握もしっかりして明瞭だ。アカペラもわずかに高域が強い感触だが、レベルを合わせれば問題はない。声の質感に濁りや歪みがなく、高域の端までよく伸びてうるささを感じさせない。一人々々の実在感が高く、ハーモニーも有機的で音楽的だ。

ボーカルはごくバランスが取れて立ち上がりがよく、表情が大変きめ細かく描かれる。バックもよく出てくる。ピアノソロはタッチの切れがよく、余韻の響きもきれいに広がって濁りやこもりがない。スピードの速い鳴り方だ。ボーイソプラノも整然として生き生きとしている。余韻が透明で非常に伸びやか。情報量が豊富で、この価格帯としては出色の製品である。

Rockford Fosgate T162C

Rockford Fosgate T162C

16.5cm・2ウェイ・同軸スピーカー 22,890円

ロックフォードの上級シリーズとなる2ウェイコアキシャル。堅牢なフレームに16.5cmの同軸ユニットを取り付けている。

高域の華やかさを保ちながら、中低域の張りと厚みも残した音調といっていい。ジャズではピアノの腰が強く、トロンボーンも厚手の輝かしさを持っている。思い切って低域を増強するか、高域を強調気味に鳴らすか、いずれの方法でも対応できる出方だ。インストールによってはさらに低域の強靱さを確保することができそうで、そうなるとピラミッド型の安定した力強さが出てくるだろう。

アカペラは余韻がよく乗っているが、声の質感に肉質感も加えたい気がする。基本的に芯の強い音調なので、調整次第で厚みを得ることができるはずだ。ボーカルももうひとつ上へ抜けるような鳴らし方をしたいところで、高域へは伸びているので、その間のつながりを補えば力強さが生きてくるはずだ。いずれにしても声の帯域にウェイトを置いたバランスといえる。ピアノソロもタッチの芯が非常にしっかりして膨れた感じがない。軸外特性も優れているようなので、実車ではさらに実力が発揮されるように思う。

LIGHTNING AUDIO B3.65.3

LIGHTNING AUDIO B3.65.3

16.5cm・3ウェイ・同軸スピーカー 6,930円

B3とS4という2つのシリーズがあるライントニングのベーシックなモデルである。税込みでもペアで7,000円以下という価格はなかなか見当たらないものだ。

やや上寄りではあるが、輪廓が明瞭でバランスの取れたナチュラルな音調を持っている。ジャズはベースやドラムなど低音が多少軽くなるのが惜しいが、イコライザーやインストールによって補える範囲の問題である。トロンボーンも若干華やかな硬質感があるが、バランスを取り直すことでちょうどいい音色に収めることが可能だ。

アカペラも余韻は心持ち強いが、声の質感に濁りや歪みがなく棘を感じさせない。ハーモニーがきれいに重なるのも、誇張がないことの現れだ。ボーカルも芯がしっかりして声の表情が変な強調感なしに描き出される。ピアノソロでもにじみがなく、タッチがクリアできつさがない。この価格帯としては破格といっていいバランスのいい鳴り方だ。

LIGHTNING AUDIO S4.65.3

LIGHTNING AUDIO S4.65.3

16.5cm・3ウェイ・同軸スピーカー 12,705円

ライトニングの上位モデルS4シリーズの3ウェイコアキシャルである。

バランスがよく音調にもくせがない。この価格帯でこれほど整ったまとまりのいい音が出るのは面白く、普通に聴いている分には全く物足りなさを感じさせない。帯域のどこにもくせがなく、立ち上がりのスピードも確保されている。ジャズはトロンボーンがちょうどいい音色で、ベースもしっかり沈み厚みもある。分解能にも優れ、楽器どうしが混濁することもない。

アカペラはよく伸びて刺々しさもなく、ソプラノの鋭さもアルトの太さもナチュラルに描かれる。動きが軽く、どんな音にも対応する印象だ。ボーカルはいっそう自然なバランスで、声の質感が痩せることもなく、また不自然な膨らみもない。表情もきめ細かく、非常によくまとまった再現だ。ピアノロソもちょうどいい。芯の厚みが上から下まで備わり、弱いところがない。ボーイソプラノは余韻がよく伸びて声の透明感が高く、響きが広がって豊かな鳴り方である。

2008-04-17 [TEXT:井上千岳/ PHOTO:Mycar-life編集部]

*記事中の価格表示は特記がない場合、税込標準小売価格です。