
先週に引き続き、外部アンプの追加を試してみる。やや上級モデルになるが、純正からでもこれぐらいのアンプを使うと、ここまでの音が出せるということである。

(左)carrozzeria TS-Z171PRS 17cmセパレート2ウェイスピーカー ¥63,000
(右)ディナウディオ SYSTEM 242 17cmセパレート2ウェイシステム ¥115,500

150W×4ch パワーアンプ ¥63,000
昨年発売のPRS-D7400をリファインした製品で、コンデンサーなどの変更によりいっそう音質に磨きをかけている。TS-Zとは価格の点でもベストマッチといってよく、定番的な組み合わせとなりそうだ。
高S/Nでワイドレンジ。解像度も高い。バランスの取れた音調である。トロンボーンは張りがあってやや輝きが強い。ピアノも芯が詰まって明快だが、動きが軽快なのも特徴といえる。ベースもよく伸びてにじみがない。アカペラは歪みがなく、それぞれの声がよく分離して存在感が高い。ボーカルはごく安定してオーソドックス。表情も緻密で丹念な把握力を見せる。オーケストラもきめ細かく、精密な再現力が発揮されている。
ディナウディオでもワイドレンジで高解像度。S/Nもよく、模範的といっていい鳴り方だ。トロンボーンは若干ソリッドで、勢いがよく音色も厚い。ピアノも濁りがなく、タッチはやや小粒だが整っている。音数は多い。ベースもよく沈む。アカペラはよく伸びて刺々しさを感じない。フォーカスがよく、透明度の高い再現である。ボーカルは張りの強い出方だ。声の表情が細かく、輪廓がくっきりしている。オケも力がある。きめ細かく丁寧に押さえて綿密な描き方である。解像度と精密さを生かした使い方をしたいアンプだ。

50W×4chパワーアンプ ¥77,700
MTXの中堅モデルで、独自のNチャンネルデザインで設計されている。4チャンネルだが、モノに使うことも可能である。
TS-Zはパワーが豊かで駆動力の高さを見せる。トロンボーンは若干硬質だが、厚手でよく弾ける。ピアノの芯も強い。ベースもタッチがしっかりしている。上級機に比べれば押し出しは少し控えめだが、パワーは高い。それが瞬発力に現れている。アカペラも輪郭が明瞭でわかりやすい。高域によく伸び、澄んだ質感だ。ボーカルは立ち上がりがよく、声にうるさい感じがない。少しだけ神経質な印象も残るが、表情は細かい。
ディナウディオでは押し出しの強いパワー感を強調せず、バランスが取れて穏当な音調だ。適切な解像度を持ち、歪みがない。S/Nもいい。トロンボーンが高域でやや薄くなるのは惜しまれるが、音色はちょうどよく、ピアノもタッチが丸くなるものの芯はしっかりしている。シンバルやバスドラムにも弾みがある。ベースもきちんと沈むが、このスピーカーではもうひとつ瞬発力が求められる。アカペラも高域にやや引っかかりが残るが、質感に濁りがなくさっぱりした出方。フォーカスはよく、個々の声に存在感がある。ボーカルも穏やかだが、表情は細かく捉えられている。オーケストラは生真面目な鳴り方で、楽器それぞれの感触を緻密に描き分けている。ソリッドに引き締まった方向での音作りに好適である。

100W×4ch ¥215,250
MTX最新の上級モデルで、持ち前のパワーを巧みに再現力として生かしている。
TS-Zではディテールまでくっきりと明快で情報量が多い。エネルギーがよく乗って、色々な音がたっぷりとした余裕で出てくる。トロンボーンが厚手で輝かしく、よく伸びてきめ細かい。ピアノも芯が強くタッチが明瞭。ベースもしっかり沈み、ドラムの力感も強くにじみがない。腰の落ちたバランスだ。アカペラは余韻と声が分離して空間性が明確だ。奥行きが深く、それぞれの存在感が高い。声に歪みっぽさがないのも、トゥイーターの把握力が高いせいだろう。ボーカルは安定して腰が落ち、線は強靱だが表情は細かく描かれる。レンジが広い。音量を絞っても痩せず、音数が減らない。オーケストラはスケールが大きく、繊細でまた力がある。
ディナウディオでも力があって当たりが柔らかい。トロンボーンがちょうどよく、厚みと張りが両立している。勢いはあるが、それが自然に出てくる印象だ。ピアノもきめ細かいが、密度が高い。ドラムやベースもしっかり沈んで実体感がある。音数が多く、賑やかさを感じさせる。アカペラは響きが豊富でにじみがない。フォーカスがよく、存在感がはっきりしている。ボーカルは安定がよく、声は甘さを抑えてきめ細かく収まっている。オーケストラも緻密で、楽器それぞれが陰影のある表現をする。ダイナミズムの大きな再現性といっていい。強い駆動力を必要とするスピーカーにはうってつけである。
2008-02-28 [TEXT:井上千岳/ PHOTO:Mycar-life編集部]
*記事中の価格表示は特記がない場合、税込標準小売価格です。