
ロックフォード・フォズゲートやボストン・アコースティックを輸入するイース・コーポレーションには、そのほかにもいくつも取り扱いブランドがある。それらも含めて、今月はできるだけ多くの製品を一斉試聴してみることにした。1週目の今回は、同社の看板ブランドであるロックフォード・フォズゲートに焦点を当てる。

T162S 16.5cm 2ウェイコンポーネントスピーカーシステム 標準価格 66,990 円

T600-2 200W×2チャンネルアンプ 標準価格 88,200 円
驚異的なハイパワー・アンプでデビューしたせいか、あるいは音圧競技の盛んなアメリカン・カーオーディオの存在がダブるせいか、ロックフォードにはパワー指向というイメージがずっと付いて回ってきたようだ。そのイメージを払拭して緻密なハイファイ再生を実現してみせたのがT600シリーズのパワーアンプ。申し分のないワイドレンジと高度な解像力、ハイスピードでエネルギーに富んだ瞬発力など、現代オーディオに必要な要素を全て十分に備え、カーオーディオファンに新鮮な感銘を与えた記念碑的なモデルである。これにスピーカーの最有力モデルであるT162Sを組み合わせてまず聴いてみる。
T162Sは16cm口径の硬質アルミコーンと、ネオジウム駆動の28mmチタン逆ドーム・トゥイーターによるセパレート2ウェイ。この組み合わせは文句なしに強力で、力強いがともすれば伸びに欠ける印象のあったT162Sが見事な鳴り方を見せる。腰が落ちてバランスの安定したレスポンスは重厚で分解能にも優れている。ジャズのベースやドラムがよく沈み、芯の強いタッチを示す。高域にも棘がなく、ピラミッド型に落ち着いてスピードにも不足しない。アカペラは明瞭な質感で響きが澄み、ボーカルは爽やかな甘さを残して表情を細かく捉えている。マーカス・ミラーのベースは当然強靭そのもので、底の方から掘り返すような力に満ちて圧倒的だ。オルガンやオーケストラではレンジの広さと解像度の高さによって、ニュアンスに溢れた表現が自然に得られている。スピードも速く、アンプの駆動力がスピーカーをしっかり把握している様子がよくわかる再現である。

P162S 16.5cm 2ウェイコンポーネントスピーカーシステム 標準価格 38,640 円

P500-2 125W×2チャンネルアンプ 標準価格 73,290 円
パワー・シリーズのひとつジュニアバージョンになるのがパンチ・シリーズだ。その名称のせいかエネルギー一点張りのようにも思われがちだが、このシリーズでは上位モデルの設計を継承してワイドレンジで精密な再現力を獲得している。コンパクトなサイズとパワーの高さも特徴といっていい。
P162Sはツインドライブ・コアキシャルタイプで、トゥイーターはセパレートなど3パターンでのレイアウトが可能だ。
P500-2は、上級機に比べると繊細で優しい鳴り方を感じさせる音調で、これにP162Sを組み合わせることで歯切れのいい素直な再現性を得ることができる。ジャズではトロンボーンの響きが華やかで明るく、耳障りな刺々しさを抑えながら溌剌した音調だ。ピアノもくっきりしたタッチを示し、ベースも引き締まってよく沈む。アカペラはいくぶんおとなしめの出方で、小粒なまとまりが快い。ボーカルはもっと楽々とした雰囲気があり、ふんわりとした声の響きが耳に優しい。マーカス・ミラーはシャープで彫りが深く、オルガンも低域をたっぷりと鳴らす。ボーイソプラノの澄んだ質感も印象的である。

P163C 16.5cm 3ウェイ同軸スピーカー 標準価格 18,060 円

P200-2 50W×2チャンネルアンプ 標準価格 44,100 円
P163Cは2種類のドームトゥイーターを備えた変則的なコアキシャルタイプ。つまり3ウェイということになる。P200-2はパンチシリーズの最も小型のモデルで、ブリッジで200Wまでもってゆくことができる。シンプルなハイパワー・アンプである。
入門用にも最適な組み合わせといってよく、軽快で切れのいい明るい鳴り方が爽快だ。ジャズでもピアノやドラムのタッチなど、軽いなりに芯の詰まった質感を持つ。ベースも深く、アンプの分解能に支えられて瞬発力にも富んだ再現性がコンパクトなまとまりを見せて魅力的だ。アカペラは声の質感に濁りがなく、目の前に浮かぶ音場の出方に独特のリアリティがある。ボーカルは弾みがよく、たっぷりした響きで声の張り出しが強い。マーカル・ミラーも強靭でしかも歪みがない。オーケストラの鮮明な分離など、内蔵アンプなどからのグレードアップにぴったりの選択肢となりそうである。
2008-01-03 [TEXT:井上千岳/ PHOTO:Mycar-life編集部,イースコーポレーション]
*記事中の価格表示は特記がない場合、税込標準小売価格です。