
本年初頭からビーウィズはベントレー・コンテンチネンタルGTをデモカーに投入し自社製品のアピールをしている。2月の大阪オートMesseでは試作段階のAZ-1を搭載し大きな話題と、そのクォリティの高さから我々カーオーディオに携わる者に大きな期待を抱かせた。以後、公私にわたり何度か聴く機会を得ていたが回を追う毎に確実に完成度とクォリティの高まりを感じさせていたが、ようやく市場投入の体制が整いプロショップへの供給が始まった。そんな折、最終仕様といえるAZ-1を搭載したベントレー・コンチネンタルGTを聴く機会を得た。スピーカーはベントレー投入時から同社を代表するトップエンドのスピーカー・ユニット、コンフィデンスC-180、C-130 、C-50から成る2+1構成。レッドのレザー内張り、そしてブラックのバッフルに取り付けられたC-130の白いコーンが絶妙の対比を見せ、オリジナル・インテリア以上にゴージャズでスパルタンな雰囲気を醸し出している。問題のAZ-1はラゲッジ・スペース床下にインストールされ大きく存在を主張しないのが好ましい。また駆動アンプのアキュレートA-110S5基はラゲッジ・スペースのリアシート背後に納められ、その仕上げの美しいアルミ・パネルが無機的なラゲッジ・スペースに彩りを与えている。
AZ-1の特徴や機能、性能については既に本稿で触れているが、もし同社がホームオーディオ用ヴァージョンを市場投入してくれたら、もう一度マルチ・アンプ・システムにチャレンジしてみたいという誘惑にかられる。本機ほどの機能と性能を備えたデジタル・プロセッサーはプロ用でもコンシューマー用でも記憶にない。それだけの高性能を実現したAZ-1を搭載したベントレー・コンチネンタルGTのサウンドは十分な周波数レンジを確保し、また帯域バランスも整い再生帯域内の何処にもエネルギーの偏りがない。そして色づけやキャラクターを感じさせず再生ソフトの音質や音楽性をスポイルすることなくアキュレートに甦らせるという印象。また低域に量感や力強さがあるとか高域に繊細さがあるというというような際立った特徴がない。そして、カラーレーションもなく、あまりにも自然に音楽を再生し、何処にも作為的なところがなく凄みも感じさせない。そのためキャラクターの強い海外ハイエンドの再生システムの音に慣れた耳には物足りなさを感じる部分があるかもしれない。しかし、どんな音楽を聴いても、その全貌を正確に捉え、ありのままに引き出すという事実が高い完成度とパフォーマンスを有する証といえる。例えば、キックドラムなど低音楽器のアタック音もスムーズに立ち上がり微細な空気感さえ難なく描ききる解像度を備えている。そして実像と思えるリアルな音像が目の前に浮かび上がり、3次元的な広がりを感じさせる音場空間がフロント・ウインドウに展開する。それも、あくまで自然体でありスピーカーやアンプなど再生機器の存在を意識させないのが素晴らしい。超絶のクォリティを有した本機の登場によりカーオーディオの可能性が広がると同時にカーオーディオの世界が変革されるだろう。
2007-10-18 [TEXT:小林貢/ PHOTO:ビーウィズ]
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