

携帯電話とのリンクでスマートループという斬新な曲面を切り開いたサイバー・ナビだが、音質面でも従来から定評がある。カーナビには本来多様なオーディオ機能が搭載されているから、これを生かさない手はないのだ。ことにサイバー・ナビの場合は、オートタイムアラインメントやイコライザーション、チャンネル・レベルなどひととおりの機能を備えている。これだけでも十分に細かな設定を行うことができるが、ここではもう一歩進めて音質の増強を図ってみたい。
出力にはプリアウトがあるので、ここからパワーアンプに接続する。アンプにはカロッツェリアの新しいデジタル・アンプPRS-D7200を使用した。スピーカーはこれも新製品のTS-Z171PRSである。
ここではアンプが2チャンネルなので、スピーカーは付属のネットワークで分配している。しかしナビにはリア用のプリアウトもあるから、これを使って初めから4チャンネルにすることも可能だ。
ナビの内蔵プロセッサーでは、各チャンネル独立にハイパス・フィルターが装備されている。またタイムアラインメントやレベル調整、イコライザーもひととおり揃っているので、4チャンネル・アンプを使えばそのままでもマルチにすることができる。
さらに強化したいならプロセッサーを使うことになるが、残念ながらナビからは光出力がないので、オーディオマスターユニットAXM-P01を間に接続するのが賢明だ。これならプリアウトを光デジタルに変換し、DEQ-P01IIやカロッツェリアXに入力することも可能になる。
ナビをヘッドにそこまでやる必要があるのか、という考えがあるかもしれない。しかしサイバー・ナビの場合は、システムが向上すればするほど確実に高度な音質が実現できる。それだけの性能を備えたナビだということである。
TS-Zはトゥイーターのレンジを思い切って下の方まで拡大した2ウェイで、このためウーファーの負担も軽くなりレスポンスが滑らかにつながる。その音をナビとデジタル・アンプが思いのほか巧みに引き出している。レンジは十分に広く、S/Nがよく、ひとつひとつの音にエネルギーがたっぷり乗った印象だ。だからナチュラルで軽快、しかも充実感の高い音調が得られる。
ウッディクリークの「Jubilation」では、トロンボーンのデュオが誇張のない豊かな響きで明るいサウンドを展開している。厚みと張りがあり、ハイスピードで重さもある。ドラムやベースのタッチも明瞭だ。
ボーイソプラノのコーラス「リベラ」は、高域の伸びやかさに透明度が加わり、とても繊細な感触が強い。しかしそれだけでなく、ハーモニー自体がしっかりと人の声の肉質感を備え、決して余韻だけが浮き上がったような弱々しさがない。ボーカルのリアルなタッチ、表情の豊かさなど、スピーカーの優れた再現性がぴったりの感じで生きている。
2007/7/5 [TEXT: 井上千岳 / PHOTO: Mycar-life編集部]