聴く耳を育てるホームオーディオ紹介

驚きのハイコストパフォーマンスを誇る エントリークラススピーカーユニット

製品名概要カラー価格発売時期
B&W 6862Wayバスレフ型スピーカーウェンジ、ライトオーク9万2400円(2本)7月
B&W 6852Wayバスレフ型スピーカーウェンジ、ライトオーク7万5600円(2本)7月

去る5月17日から20日までミュンヘンで開催されたHigh End2007のレポートでジャガーに純正採用された英国の名門ブランドB&Wから魅力的な小型スピーカー2モデル685&686が発売された。

従来からコストパフォーマンスの高いことで高く評価されていた600シリーズが刷新されたのだ。両機とも比較的オーソドックスな小型2ウェイ機で価格もペアで¥92,400と¥75,000(税込み)と手頃な価格ながら同社上級機に通じる最新技術を投入し実質的には上位のCMシリーズと同等といえる素材とノウハウを応用することで価格を超えたパフォーマンスを実現している。

まず13cmと16.5cm口径のウーファー・ユニットを見てみよう。特徴的な黄色いコーンの低域ユニットはB&W独自のウォーブン・ケブラー振動板。フレームは当然ながらアルミダイキャスト製と本格派。25mm口径トゥイーターはアルミニウム合金のドーム型だが同社独自の低粘度磁性流体をギャップに注入して放熱効果、耐入力特性を高めパワーリニアリティを向上させている。そして同社上位モデルと同じく背後にノーチラス・チューブを備えているのが特徴的。エンクロージャーは両機ともバスレフ型だがフロント・バッフルに余裕がある685はオーソドックスなフロント・バスレフ、小型の686はフロント・バッフルの面積が少ないためリア・バスレフ方式を採っている。使用ユニットや構成から小型の686は同じ13cm口径ウーファーを搭載し高い評価を受けている上級の小型2ウェイ機CM-1近似のシステムといえる。それだけにサウンドも同時比較でなければ、その差異を見出すのは難しいのではと思えるほどだ。

そのサウンドはクラスを超えたと思える広くフラットな周波数レンジを確保しナチュラルな質感で音楽を正確かつ伸び伸びと再現するという印象。上級機譲りの高音質化技術を投入しているが気難しさや厳格さがなくなくエントリー・クラスのプリメイン型アンプでも無難にドライブできる。またハードドーム系トゥイーターにありがちなナーバスな響きもなく弦楽器のしなやかさやヴォーカルのジェントルな表情を巧く引き出してくれた。そして低域もウーファーやエンクロージャーのサイズから想像する以上の伸びが感じられクラシック系ソフトのコントラバスは胴鳴りが感じられコンテンポラリー系ソフトでは6弦エレクトリック・ベースの低音弦の唸りや音像を正確に再現する。

一回り大きな685はウーファーの口径差から能率が4dB高まっているため、より伸び伸びと音楽を鳴らすという印象だ。能率はスピーカーの性能上重要な項目だが最近はアンプが容易にハイパワー化できるので疎かにされてきたように思う。本機は4dB能率が高まったことで音楽を活き活きと再生するがエントリー・クラスにありがちな音楽にメリハリを付け高揚感を演出するような傾向がなく高い品位をキープしているのが好ましい。そして中域から高域にかけては極めて素直な音調でナチュラルかつ鮮度の高い響きが聴ける。また本機は中型機に負けない低域レンジ感と質感、解像度が確保されホールの空間の広さや透明度をリアルに再現することができるのも素晴らしい。686以上にコストパフォーマンスの高いシステムと断言できる。

また、ケブラー・コーン、ダイキャスト・フレーム、良質なパーツで構成されたネットワークなどを見ると極めて良心的な価格設定だと思う。カーオーディオ用スピーカーはエンクロージャーが無いにもかかわらず、この両機より遥かに高い価格設定の製品が多い。特に海外製品では本機より簡素な作りでキャラクターの強い音であるにもかかわらず遥かに高額な製品も目につく。ジャガーに純正採用されたのを機に本機のユニットをカー用にモディファイするなどして同社がカーオーディオ界に本格参入してくれないものだろうか?

2007/7/12 [TEXT: 小林貢]

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