
アメリカ、アリゾナ州に拠を構えるロックフォード・フォズゲート・ブランドは既に34年にも及ぶ歴史を誇る米国カーオーディオ業界を代表するブランドとし君臨してきた。70年代後半にはカー用アンプとして初めてMOS-FETを採用、80年代半ばには同じくカー用として世界初の15インチ口径ウーファーを発表、さらに1990年にはコンピューター搭載のシグナルプロセッサー、シンメトリーを発売するなど常に先進的な製品開発を行っている。そんな同社が再び我々を驚愕させる超ド級・超特大パワーアンプT15KWを発表した。サイズが95.3cm×55.9cm×25.4 cm、重量81.8kgという常識外れの特大・重量級パワーアンプだ。それだけに500W×4ch(4Ω)総合出力15,000Wというハイパワーを有しているがパワー値だけなら同程度の製品は幾つか見つけ出すことができる。
本機が凄いのはその構成。同社が開発したHT(ハイブリッド・テクノロジー)の搭載により従来の1/5の消費電力でハイパワーを実現しているのだ。HTとは最新のコンデンサー技術を駆使し通常の電解コンデンサーの5500%以上のエネルギーの蓄えが可能な大容量ナノテクノロジー・コンデンサーを搭載し高電圧と低い内部抵抗を利用し蓄えられたエネルギーを効率良く音に変換しようという技術だ。この結果従来のパワーアンプでは1000Wの出力を得るために150アンペアの電流を消費するのに対して本機では電源投入時こそ70アンペア程度の消費電力だがチャージ後は30アンペアの消費電力で済むという。そのため本機では180個にも及ぶ電解コンデンサーを搭載している。価格も並外れて高価であり、サイズから考えても本機を搭載できるクルマは限られるだろう。輸入元のイースコーポレーションではMESまでにハイエースに搭載すると語っていたので興味のある人は是非ともMESで観て聴いてもらいたい。
今回は輸入元のイースコーポレーション試聴室においてトールボーイ型エンクロージャーに収めたボストンアコースティックスSPZを駆動して試聴した。これだけ大型のハイパワー・アンプということで音楽をパワフルに再生するだけの大味な音では、と予想したが意外にも素直なサウンドを聴かせてくれた。十分な周波数レンジが確保され帯域内にエネルギーの高まりを感じさせることのないナチュラルなトーンが得られパワフルな音はパワフルに、繊細な音は繊細にという具合にソフトの音を忠実に増幅して正確にスピーカーを駆動している感がある。本機の送り出す全音楽情報をありのままに引き出すことは今回の試聴用スピーカーでは不可能と思える部分すらあり、僕の大型モニター機で聴いてみたいと思わせるだけのパフォーマンスの高さが感じられた。その意味ではアンプの理想に近い完成度の高い製品といえるが価格もサイズも余りにも現実的ではない。
本機に投入された技術を投入した実用的なサイズと価格の製品の登場を期待したい。近年の同社の製品から推察すると、その期待を裏切ることのないアンプが生み出されるのは間違いないだろう。
2007/6/7 [TEXT + PHOTO: Mycar-life編集部]