
高級車などを中心に、純正システムに手を加えにくいクルマが増えている。機能そのものに影響がある、インテリアをそのままにしておきたいなどの理由で、後付けのシステムがなかなか取り付けられないことも珍しくない。カーオーディオは純粋に音楽を聴くための道具として機能していればいいのだという認識が、ユーザーサイドにも強くなっているということもありそうだ。あるいはカーナビではそもそもヘッドユニットを取り付けるスペースがないという問題もある。
純正システムやカーナビをそのままにして、オーディオシステムを充実させるにはどうしたらいいか。そういう視点から開発されたのが、このAXM−P01だ。オーディオマスターユニットと名づけられているが、純正システムなどからアンプやプロセッサーに接続するためのインターフェースと考えるとわかりやすい。

もっと具体的にいうと、この製品はあらゆる形態の入力信号を受け入れて、それを光デジタルで出力するという動作をする。光デジタルにしてしまえば後はカロッツェリアのプロセッサーなりカロッツェリアXのアンプなりにつなぐことができ、大幅なグレードアップが可能となる仕組みである。
このための入力端子は、光デジタルが2系統、同軸デジタル/TOSリンク(切り替え)が1系統、アナログRCAが2系統の他、3.5mmのミニジャック、IPバスがそれぞれ1系統ずつ装備されている。またアナログRCAは、付属の変換ケーブルでスピーカー出力からの入力も可能だ。デジタル信号はそのまま、アナログ信号はA/D変換されて、光デジタル端子から出力される。光端子はカロッツェリア専用の4Pコネクターである。
これによって使用が可能になるのは、純正システムの他カロッツェリアのDVDソース・ユニット、地上デジタル・チューナー、iPod(別売アダプターを介して入力)、USBデバイスなど。極めて多彩な対応である。
内部にはサウンドマスタークロック回路を入力部と出力部のそれぞれに搭載。これはカロッツェリアXと同等のものだという。また大容量音響用コンデンサーやELNA社製コンデンサーなど、高品位なパーツが採用されている。薄型ディスプレイはパールホワイト。オンダッシュやグローブボックスへの埋め込みなど、自在な設置ができる。さらに通常のリモコンの他ステアリング・リモコンも備え、スマートな操作性を実現している。
一般的にはデジタル・プロセッサーDEQ−P01IIとの組み合わせが想定されている。これによって純正システムで専用のイコライジングのかかった出力信号を、逆イコライジングで元に戻すなどの操作も可能。実際に聴いてみると、独特の凹凸のある純正の音が見事に平らになって鮮度も上がる。
それだけではなく一般のデジタル入力でも高級オーディオに劣らない質の高い再現性を示し、ハイスピードで解像度に優れたカロッツェリアらしい音質が得られる。これからのカーオーディオになくてはならないユニットとして、注目度の高い製品である。
2007/5/3 [TEXT: 井上千岳 / PHOTO: パイオニア]