
カーオーディオは基本的に、フロントの2ウェイないし3ウェイで完結する。しかしそれではどうしても低音が物足りないこともあり、そこでサブウーファーを加えるのが一般的だ。
カーオーディオというとサブウーファーというイメージを持っている人がいまでも多いように思われるが、これは全くの誤解である。確かに一昔ぐらい前までは、大黒埠頭に集まって大音量で低音をガンガン鳴らすのがカーオーディオだと思われていたようだ。しかしそれは音楽をいい音で楽しもうという一般的なオーディオとはかけ離れたものだし、音圧を競う一種のゲームといった方が近い。少なくとも現在のカーオーディオとは異質、音楽プラスアルファの世界というべきだろう。ただしその頃の名残のようなサブウーファーがまだ少なくないことには注意しておかなければならない。

さてこれから聴いてみようと思うのは、チューンナップ・サブウーファーと呼ばれる種類の製品である。チューンナップというのは基本的にそれだけで完結しているシステムに、なんらかの目的で足すための製品と考えておいていい。例えばチューンナップ・トゥイーターというのもあり、これは超高域をプラスするものだ。
チューンナップ・サブウーファーも同じ意味で、低音を付加・増強するための機材である。あくまでも完結しているシステムに付加するものだということを、しっかり認識しておいてもらいたい。
コンテストなどで話を聞いていると、サブウーファーのことを単にウーファーと呼んでいる人が多い。フロント側のミッド/ウーファーはミッドである。つまり低音は専らサブウーファーが担当するもので、ミッド/ウーファーからは低音は出ていないと思っているらしいのだ。これが誤解の第一である。

細かいことになるが言葉は大事だから正しておくと、フロントのミッドはミッド/ウーファーといって本来これがウーファーの役割を果たす。3ウェイだとミッドはもうひとつあるから、ウーファーは文字通りウーファーである。サブウーファーはとりあえず考えていないのだ。
それで物足りないというときに、初めてサブウーファーが登場する。つまりそれは付加なのであって、できるだけフロントだけで完結させるのがセオリーである。
これを勘違いしていると、とんでもない音になることがある。サブウーファーはもともとミッド/ウーファーやトゥイーターのようには設計されていない。そこで低音をサブウーファーだけに担当させると、解像度の伴わない膨らんだ低音だけが聴こえてくることになる。サブウーファーは量感や音の低さを加えることはできるが、楽器の質感や音色をそれだけで再現するためには作られていない。低音をきちんと出すためにはミッド/ウーファーが欠かせない。それがあって初めてサブウーファーが生きるのだということを知っておいてもらいたい。
ここでいうチューンナップ・サブウーファー以外には、いわゆるコンポーネントとしてのサブウーファーがある。これはアンプを持たず、独立のアンプで駆動されることを前提としている。この場合でもミッド/ウーファーが必要なのは同じだが、もうひとつハイエンドに寄ったものということができる。

逆にいうとチューンナップ・サブウーファーは基本的にアンプ内蔵である。ヘッドユニットのRCA出力から接続して、レベルやローパス・フィルターもここで調整することができる。既存のシステムに付け加えるための装備であることがこれでもわかる。
そこでサブウーファーを加えるときに大切なのは、現在のシステムと音色に違和感がないことである。ミッド/ウーファーと無理なくつながること。それが鉄則と思ってほしい。でなければサブウーファーの低音だけが浮いてしまい、わけのわからない音になる。
また車室内やシート下などにインストールできる比較的小型の製品では、無闇に強い音圧を求めないことだ。無理に大音量の低音を出そうとすると他のスピーカーとつながらないばかりか、音全体をぼやけたものにしてしまうことが多い。雰囲気を付け加えるもの、くらいの気持で、控えめに使うのもコツである。