

「すっと、肩から音が抜けている」――ダンロップファルケンタイヤ(株)から1月に発売されたLE MANS LM703の最初の印象である。タイヤに求められている性能は、安全性はもちろんのこと、低燃費、環境に配慮した超寿命、リサイクル性、その中でも乗り心地や静粛性を重視することが、特に低偏平率化が加速度を増しているのと同様にタイヤに求められているのが現状である。総合性能で従来品をすべて上回っているLM703。その中でもカーオーディオを楽しむために重要な静粛性を大幅に向上させた(して頂いた?)メカニズムにスポットを当てて行きたい。
タイヤノイズを発生させる要因は空洞共鳴音、ロードノイズ、パターンノイズがあげられる。これまでの技術では解決することの難しかった空洞共鳴音(タイヤ空洞中の空気が共鳴して発生する音)を押さえるため、LM703ではタイヤ内部に特殊吸音スポンジを装着している。正にエンクロージャー内部の吸音材のイメージそのものだ。材質は特殊エーテル系ポリウレタン。タイヤ内部の温度変化にも十分な耐久性を確保している。スポンジの断面形状は2連山形構造とし、これにより表面積を増加、吸音効果をより向上させている。


2山構造・表面積増加により吸音効果を向上させ、タイヤ内でスポンジが受ける衝撃を効果的に分散する特殊形状を採用。
ロードノイズの発生メカニズムは荒れた路面をクルマが走行した時にタイヤの構造内部のスチールブレーカーが振動(センターを中心に左右がより大きく振動)してタイヤの横の部分、サイドウォール部へ伝わり、ホイール、サスペンションを経由して最終的にボディに伝わり室内にてノイズとなる。LM703ではこの左右のスチールブレーカエッジ部の大きな振動を押さえるため、通常のナイロンバンドの約4倍も強力な高剛性素材、ポリエチレンナフタレートを採用し、タイヤそのものからの振動を押さえている。
パターンノイズとは、タイヤが路面に接する際にタイヤのブロックが引き起こす打音と、トレッドパターンの溝の中の空気が圧縮され、そして膨張する際に起こす音である。LM703では新たにパターンシフトシミュレーションをおこないトレッドパターンの溝分布、溝角度の最適化を図りノイズ発生低減化を実現している。
試乗は同社、岡山テストコースで行われた。テストコースというと、すり鉢状のバンクのあるオーバルコースを思い浮かべるが、ここは日本中の、いや、世界中の路面を再現した所と言う方が正しいだろう。正直に言って僕自身、テストコースでは一度もステアリングを握ってはいない。しかし、こと音に関しては助手席、後席にてが、十分にその性能を体感できると思っている。データ的には従来製品に比べて時速40キロ/hにおいて約3.0DB(A)向上を達成している。
では実際にカーオーディオへどのような効果があるのか。5月にLE MANS LM703をオーディオカーへ装着してレポートしていく予定である。