ところがMM-1は違う。固体メモリーは音がいいのだということを知っていたのだろう。非常に精密で大容量のDSPを組み込み、本格的なオーディオ・ソースとして作り上げた。一般のメモリー・オーディオ・プレーヤーは精々4〜5MHz。それに対してMM-1では50MHz以上の容量を持たせている。これはWAV(Windowsの標準ファイル形式で非圧縮)に対応するためで、CDのPCMがそのまま再生できる。だからMP3だけを対象にしたプレーヤーとはわけが違うのだ。余裕の大きさが音に出ている。




50MHz以上もの大容量DSPを組み込んだMM-1は、CDよりも音がいいメモリー・オーディオ・プレーヤーと、従来の常識を覆してしまった。
CDより音がいい、といったら怪訝な顔をする人が大半だろう。それもCDからコンパクト・フラッシュに移してそれを再生した場合でも、元のCDよりよくなるのだ。なぜか。
CDの再生はごく微細なピットをレーザーが高速で追いかける。エラーが必ず出るし、ジッターと呼ばれる歪みも決してなくならない。ところがフラッシュ・メモリーにはデータとしてコピーされるから、この種のエラーがずっと少ない。そして再生時には回転するものがないからはるかにジッターやノイズのない音が得られるのである。CDのピックアップは曲芸のようなもので、これに比べればコンパクト・フラッシュは回路の一部として機能するようなものである。
実際聴いた人の誰もが口にするのは、音が静かだということ。これを聴くとCDでさえどこかうるさく思えてくる。MM-1では回転機構に由来するノイズや歪みが生じないからである。同じデータを高速回転機構で読み出すのと回路の一部に組み込んで取り出すのとどちらが有利か、考えてみれば誰にでもわかることである。
こういうわけでMM-1は聴く人を驚嘆させた。CDより音のいいメディアが存在するなどと、誰が想像しただろう。MM-1は明らかに新しい時代を切り拓いたのだ。CDに代わるメディアとして、コンパクト・フラッシュその他のメモリーが時代を担う日も遠くはないように思う。
なおMM-1はアナログ/デジタル(光または同軸)の入出力を装備。別筐体のスマート・インターフェースで切り替えができる。


MM-1はアナログ/デジタルの両入力に対応。別筐体のスマート・インターフェースによって入力の切り替えを行う。