
前回はアキュレート・アンプA-110Sの衝撃的な音と内容について述べたが、このアンプは元々ミラーメディアMM-1の音質を十分引き出すために考えられたものだという。いわば両者は一体のものである。今回はそのMM-1について触れることにする。
MM-1はミラーメディアという名のとおり、ルームミラーの形をしたソース・ユニットである。いやユニットを内蔵したミラーというべきかもしれない。いずれにしても純正のミラーの代わりに取り付けて使用する。もちろんミラーのサイズだからCDは入らない。メディアとしてはコンパクト・フラッシュを使う。純正のヘッドユニットと共存させることも可能だ。

BEWITH ミラーメディア MM-1 製品構成
なぜミラーなのか。そう思う前に車の中を見回してもらいたい。ヘッドユニットを取り付ける場所といえばセンターコンソールしかないわけだが、デザインの一体性を重視した最近の車では、ここに異質なユニットを割り込ませるのは難しい。またセキュリティーその他コンピューター制御の部分は、以前と比較にならないほど複雑になっている。うっかりすると車が動かないことにもなりかねない。こういう状況では、従来どおりコンソールにユニットを押し込んで終わりというわけにはいかないのだ。オーディオの行き場所はほかに探さなくてはならない。
そこでミラーなのである。しかしただミラーの裏側に電気回路を取り付けただけでは、単なる思い付きにしかならなかっただろう。MM-1はミラー自体が非常に精密だ。平面性の高い強化ガラス製で、両端を丸くカットしたデザインも洒落ている。これがただの平らな板だったら、ずいぶん味気ないものになっただろう。そして鏡面の左寄りには高精細な3.5インチの液晶モニターが内蔵され、サブモニターとしてもバックカメラ・モニターとしても使用することができる。海外製の高級車にも対応しようとするなら(どうしても純正ミラーを替えたくないというのなら別だが)、これくらいのこだわりがなければならないはずだ。


(上)MM-1はミラーとしての品質も非常に精密だ。(下)付属のリモコン
とはいってもMM-1の画期的な価値は、やはり音にある。コンパクト・フラッシュというメモリー系メディアの真価を、これほどはっきり認識させた例はない。
メモリー・オーディオといえばiPodを始めとして各種各様の製品が出回っている。しかしそれらはMP3などの圧縮記録で、その音質的な評価は決して高いとはいえない。オーディオの専門家は始めから相手にしないし、メーカーもカジュアルなメディアとしてしか捉えていない。だから音質は最初から度外視。誰もMP3の音がいいなどと思ってはいなかった。