新製品に見る技術と先進性:井上千岳の「BEWITH、その実力に迫る」

第1回「A-110Sに驚愕する」

“大変なもの”

ビーウィズの話を始めるに当たって、さしあたりどの辺が適当かと考えていたところで、大変なものを目にしてしまった。目にしただけでなく、音も聴いた。衝撃が大きすぎて、そのときは何も言えなかったほどである。A-110S。待望のアキュレート・アンプがそれだ。なにはさておき、まずこれに触れないわけにはいかない。

BEWITH A-110S

BEWITHアキュレート・アンプA-110S

ビーウィズのアンプとしては、これまでR-208とR-406がある。いずれも小型・高音質で取り扱いやすく、人気が高い。ただこれらはレファレンス・シリーズ。ビーウィズとしては最もベーシックなクラスに当たる。スピーカーはさらにアキュレート、コンフィデンスとあるわけだから、もう1クラス上のアンプがいつ出るのかという期待は誰にもあったわけだ。ところが実際にでき上がった製品は1ランク上どころではない。これまでの常識を覆してしまうほどの、驚異的な音質に溢れている。

A-110Sの何が凄いのか。一言でいえば音がないのだ。音がいいとか悪いとかという次元を越えている。アンプ自体の音は何もない。無色透明というより無存在である。

ビーウィズによると、このアンプはもはや測定器だという。通常のオーディオ製品というレベルではなく、測定器レベルに達している。なにしろ精度が桁違いなのだ。

BEWITH A-110S

筐体はこれまでと全く違って、細長い長方形だ。両端が丸く切れこんでいるのは、MM-1をイメージしたデザイン。モノーラル構成でもあり、縦横・積み重ねどうにでも設置することができる。シールド特性に優れた強靭で精密なボディである。また天板を外して重ねる場合を想定して、純銅のシールド板が装着されている。非磁性体ということもあり、シールド効果をいっそう高めた構成だ。

基板上に並んだパーツは、どれも尋常なものではない。回路自体は特別変わったものではなく、出力段はトランジスター2ペアによるパラレル・プッシュプル。これで100W/4Ωの出力を得ている。入力段はオペアンプである。

2006/3/2 [COPY・井上千岳 PHOTO・伊倉道男]