カスタム・オーディオマシン Special Feature !! #98: LEXUS・NX(オーナー・今村さん) by Car Audio Club 後編 | Push on! Mycar-life

カスタム・オーディオマシン Special Feature !! #98: LEXUS・NX(オーナー・今村さん) by Car Audio Club 後編

音にも作りにも妥協のない力作オーディオ・マシンをご紹介している当連載。今週も先週に引き続き、大阪府の実力ショップ、カーオーディオクラブ製作のレクサス・NXをスペシャル・フィーチャーする。今回はそのオーディオシステムにスポットを当て、美麗サウンドがどのように実現されているのかを解説していく。じっくりとお読みいただきたい。

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カスタム・オーディオマシン Special Feature !!


音にも作りにも妥協のない力作オーディオ・マシンをご紹介している当連載。今週も先週に引き続き、大阪府の実力ショップ、カーオーディオクラブ製作のレクサス・NXをスペシャル・フィーチャーする。今回はそのオーディオシステムにスポットを当て、美麗サウンドがどのように実現されているのかを解説していく。じっくりとお読みいただきたい。


変則フロント3ウェイシステムが
至極の美麗Hi-Fiサウンドを奏でる!

まずは、サウンドメイクにおけるコンセプトからご紹介しよう。このクルマは先週の記事でも記述したとおり、最優先事項は音である。つまりは、普段のドライブで良い音を聴きたい、というのがオーディオを組んでいる根本の目的だ。至ってシンプルでナチュラルなコンセプトである。

そのシンプルなコンセプトに向かって、惜しみなく情熱が注ぎ込まれ、工夫が凝らされている。その詳細をリポートしていきたい。

とその前に、1つ触れておきたいことがある。それは、究極的にHi-Fiを追求しつつもその一方で、フレキシブルにオーディオを楽しもうとしていること。純正システムも活きていて、ブルーレイも楽しめる。また、サイバーナビの5.1chシステムも活用していて、シアターシステムも堪能できる。2chのステレオ再生には徹底して神経を使いつつ、それ以外のAVエンターテインメントもライトに楽しめる。粋な1台なのである。

それを踏まえた上で、2chのステレオサウンドをどのように突き詰めているのかを見ていきたい。まずはシステムレイアウトから。

ヘッドユニットは、カロッツェリアX・RS-D7XIII(その外部入力にサイバーナビのアウトをつなげ、サイバーナビの外部入力に純正ヘッドのアウトがつながっている。サイバーナビの5.1ch時のセンター、およびリア出力は、Xのヘッドを介さず、直接パワーアンプに送り込まれている)+ビーウィズ・MM-1。プロセッサーもカロッツェリアX・RS-P99X。そしてパワーアンプはすべてロックフォード。名機、T1000-4を2台(これでフロント3ウェイをマルチドライブ)+T2500-1bdCP(サブウーファーをドライブ)という強力布陣だ。さらに、5.1chシステムのセンター & リアサラウンド用として、同・T600-4が1台、リアにヒドゥンして搭載されている。

フロントスピーカーには、変則3ウェイシステムを採用。ロックフォード・フォズゲートのフラッグシップ2ウェイコンポーネント、T5に、ハイブリッドオーディオのL3SE Ltdをミッドレンジとして組み込んでいる。そしてサブウーファーには、ロックフォードのT2(12インチ)を使用している。



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インテリアは極力、純正の雰囲気が尊重されている。カスタムポイントはドアのスピーカー周りとAピラー、そしてセンタークラスターのみ。センタークラスターでは、純正ヘッドが移設され、サイバーナビのモニター部とヘッドユニットが追加されている。

このシステムを持ってして、どのようにグッドサウンドへの追求がなされているかを説明しよう。ポイントはいくつかあるのだが、焦点を絞って解説したい。注目すべき最たるポイントはズバリ、その変則3ウェイである。

T5はそもそも優秀なスピーカーであるが、さらなる音質向上を目指したくなったオーナーの今村さん。ここからシステムアップするとすれば、スピーカーを根本的に変更するか、もしくは3ウェイにするかの2択だ。今村さんは後者を選択した。しかし、ロックフォードにはミッドレンジの設定はなく…。

通常ならば、他ブランドのミッドレンジを追加するという方法は、避けられがち。タイプの異なるユニットを導入することで、つながりやバランスを崩す危険性があるからだ。しかし、カーオーディオクラブはそこに敢えて踏み込んだ。



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ロックフォード・T5+ハイブリッドオーディオ・L3SE Ltdで構成されたフロント3ウェシステム。ブランドの異なる編成だが、見た目のバランスもバッチリ。ツイーターとミッドレンジをともにAピラーにインストールしているが、視界の妨げはほぼ皆無。

その決断にはとある伏線がある。それは2012年の『第16回パイオニアカーサウンドコンテスト』。この大会の“カロッツェリアXシステムクラス(ディーラーデモカー部門)”で、同店は9位入賞を果たしているのだが、その時のクルマのフロント3ウェイシステムがまさに、振動板の素材が異なるユニットで構成されていた。しかし同店は、チューニングを駆使して振動板素材の違いを克服し、3ウェイのメリットを純粋に獲得することに成功したのだ。この成功体験があるからこそ、変則3ウェイに対して、自信を持って取り組めたのだ。

カーオーディオクラブの西林店長いわく、「3ウェイの利点は、なんといっても情報量を稼げること」。レクサス・NXでもビハインドを物ともせず、調整を操り、3ウェイの利点を最大限活かすことに成功した。常識に囚われず、テクニックを持ってメリットを活かし切ったのだ。

カーオーディオにはさまざまなセオリーがある。そしてそれと同時に大きな自由度もある。型にはめずに柔軟に高みを目指していくべきだと、このクルマは教えてくれている。大いに参考にしたいものだ。



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Aピラーには、さりげなくワンポイント的に装飾を注入。サブヘッドとして、ビーウィズ・MM-1Dも装備されている。リアドアのスピーカーはロックフォードのT4。5.1ch再生時には、リアサラウンドスピーカーとして機能する。

《太田祥三》
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