◆三角関数でサインというのがありますが、これは直角三角形の斜辺(直角に対向する辺)と底辺との比率を表わしたものです。この比率は斜辺の角度によって変化しますが、このときの角度と比率との関係がサイン曲線です。電気信号は基本的にサイン波しか作ることはできません。後は全て複雑なサイン波の合成です。すなわちオーディオの基本は全てこのサイン波にあるということができるわけです。
◆100Hz程度以下の低域を専門に再生するスピーカーのことです。通常は専用に設計されたアンプを内蔵していますが、カーオーディオではマルチアンプにすることが多いためアンプは付いていません。一般のウーファーでは足りない低域の音圧を強化するためのものです。
◆強い磁界(磁力の働く空間)の中に置いたコイルに電流を流すと、コイルが動くという原理に基づいて作られています。この磁界を作り出すのが磁気回路です。単純に磁石といわないのは磁石だけでできているわけではないからです。磁石があり、そのS極とN極をつなぐように磁気を通しやすい素材がぐるりと配置されています。この一連の装置のことを磁気回路と呼んでいます。
◆オーディオ機器の性能は全帯域を通じて均一というわけではありません。これはアンプでもスピーカーでも同じですが、どの帯域がどれくらい強いか弱いかということを示すのが周波数特性です。グラフで見るとわかりやすいのですが、スピーカーの場合は特に凸凹しているのが普通です。また数値として表わすときは、再生できる最高・最低周波数を指すことがあります。限界値ということですが、限界といってもそこですぱっと切れてしまうわけではありません。そこで平均レベルからどれくらい下がったら限界とするという約束を作り、そのときの周波数を示すようにするのが一般的です。例えば20kHzで-3dBという具合です。それ以上の周波数ではもっとレベルが下がるということですから、大体この辺が限界という意味になるわけです。
◆スピーカーの効率を示す用語です。スピーカーにも効率のいいものと悪いものがあって、同じ大きさの信号を入れても出てくる音の大きさが違います。この大きさの違いを表わすのが出力音圧レベルです。具体的には1Wの信号入れてスピーカーを再生し、1m離れたスピーカーの正面でマイクで音圧の大きさを測るのが普通です。単位はdBを使います。能率という言い方もありますが、同じと思っていいでしょう。
◆アンプは信号を歪みのない形で取り込み、これを増幅してスピーカーへ送り出す装置です。このうち特に信号を増幅する部分の回路を出力段あるいは出力ステージといいます。ほかには信号を取り込み入力段、出力段のトランジスターなどを駆動するドライバー段などがあります。出力段ではスピーカーを動かすだけの大きな電流を作らなければならないので、ここには特に大電流の流せるトランジスターや真空管を使います。またひとつだけでなく複数のトランジスターや真空管を並列あるいは直列につないでいっそう大きな電流を作ります。この部分でアンプのパワーが決まるわけです。
◆プラスとマイナスの電極を空中に置いてものすごい高電圧をかけると、マイナス極から電子が飛び出します。放電、いわゆるスパークです。空中では空気の粒子にぶつかって電子の流れはできませんが、真空中でこれを行うと、電子がマイナス極からプラス極へ飛びついて電流が流れます。ところでこの両極の間にもう一枚電極を置きます。そしてそこにマイナスの電圧をかけます。電子はプラス極へ引っ張られますが、間のマイナス極が邪魔してそれ以上進めません。そこでこの中間のマイナス電極を金網状にして隙間を作ってやります。するとその網の目をすり抜けた電子がプラス極に飛びついて電流が流れることになります。
◆ここで金網状電極にかかる電圧を増減するとそれに応じて流れる電子の量が変わりますから、電流も増減します。この電圧変化を音楽信号にするとどうなるか。音楽信号に応じた電流の変化が得られることになるのです。これが三極管と呼ばれる最も基本的な真空管の仕組みです。通常はプラス極とマイナス極には高圧をかけて大電流が得られるようにし、音楽信号(金網状電極で邪魔をする電圧)に比べて大きくしておけば、音楽信号に比例した大電流が得られることになり、つまり見かけ上音楽信号が増幅された結果になるわけです。増幅というのはつまりこういう動作のことなのです。
◆ところでこの大電流の方はどこから来るのか。もちろん100Vの電源電流から来るのです。つまり増幅というのは、電源電流を音楽信号でコントロールするものだということもできるわけです。
◆一般のトゥイーターでは不可能な超高域信号まで再生するために設計されたスピーカーのことをスーパ−トゥイーターと呼びます。トゥイーターの高域を補うとともに、20kHz以上の超高域再現によって音場感を高める役割があります。構造上リボン型が有利ですが、ドーム型でもあるいはホーン型でも設計することはできます。
◆3ウェイ・スピーカーの中央帯域を再生するスピーカーのことをいいます。英語のsquawkから来たもので、現在ではミッドレンジを呼ぶことが多くなりました。
◆アンプに信号を入力したとき、瞬時に反応するのかというとそうでもありません。反応の速さにも差があるのです。アンプに信号を入れたとき、1μ秒の間にどれくらい高く立ち上がるかという数値をスルーレートといいます。これがあまりに遅いと、次の信号が来たときにまだ立ち上がっている間であったりして、信号が変化していまします。また立ち上がりは速くても高さが足りないということもあります。この場合はディテールに力のない音になります。いずれにしてもアンプの反応の速さを表わすものとして、音質に直接結びつく性能といっていいでしょう。
◆傾斜という意味です。何の傾斜かというと、フィルターの遮断特性を表わす傾斜です。フィルターというのは特定周波数より上または下の信号だけを通す回路ですが、ぴったりそこで切れるわけではありません。段々と減衰してゆく形になります。グラフで示すと、その周波数まで平らに来たものが、そこから徐々に下がってゆくという形になります。この下がり方の急峻さ加減を遮断特性といい、傾きのことを傾斜ないしスロープといいます。スロープが急なほど遮断特性が鋭いということになりますが、またその副作用も強くなるという事情もあります。どういったスロープを選ぶかは、設計次第ということでしょう。
◆オーディオ回路には直流が必要です。ところが電源は交流ですから、そのままでは使えません。そこで交流を直流に直す必要があります。直すといってもそう簡単なものではありませんが、整流管(真空管)やダイオードといった一方向にしか電流を流さない素子を使って波状の電流を作るのが基本です。この作用を整流と呼んでいます。もっともこれだけでは直流になりませんから、このあと大きなコンデンサーに溜めてそこから電流を引き出します。すると貯水池から水を引くように、ある程度はまっすぐな流れができるわけです。これでも完全とはいえませんが、実用になる直流は得られます。いずれにせよいかにきれいな直流を得るかが、オーディオの最も根本的な大問題であるわけです。
◆音源といいます。ただ音の出どころのことも音源といいますが、オーディオでソースというときは、音楽を収めたメディア(CDやテープ、レコードなど)とそれを再生する装置(プレーヤー)のことを指すことが多いようです。
◆トランジスターやダイオードなど、半導体を使った素子のことです。球に対して石という言い方をしますが、その石に当たるのがソリッドステートです。半導体という石つまりソリッドな状態で動作する素子なので、こう呼ばれるようになりました。