カーオーディオ用語辞典

用語:あ行

アコースティック

◆音響的という意味です。一般には電気的な音響ではなく、自然の音響のことを指します。エレキギターに対してアコースティック・ギターなどというのがその例です。

アース

◆大地のことですが、現実に地面そのものを指すだけではありません。アンプなどの電気回路では、各回路やパーツに共通接続された側があります。大雑把にいえばマイナス側ですが、厳密には少し違います。ともかくこの共通接続の側は他の側(プラス側)に対して相対的に0Vと想定します。普通はシャーシに線をつないで、これを大地の代わりに見立てています。こういう共通の0Vがないと、回路は正しく動作しません。実際に大地との差を測ると必ずしも0Vではないのですが、回路内での相対的な0V点ということです。

アッテネーター

◆減衰器という意味です。機能的にはボリュームのようなものですし実際にボリュームにも使われますが、厳密には入出力間でインピーダンスが変わらないことが必要条件とされています。構造的にはそれ自身が電力を吸収する、つまり抵抗の組み合わせや可変抵抗でできているものを指します。いずれにしても単なるボリュームよりは高級なパーツです。

アナログ

◆デジタルに対して用いられる言葉ですが、使われる場所で少しずつ意味が異なるようです。時計ですと数字表示ではなく針式のものをアナログと呼びますし、チューナーも数字表示ではなく針を動かしてチューニングするものをアナログといっています。ただ現在ではPCMなどデジタル信号で動くものに対して、生の信号で動くあるいはそれを扱うものをアナログと呼ぶようです。本来は類似的といった意味ですが、連続的という意味はありません。

◆デジタルとは信号の性質が異なるのはどなたもご存じでしょう。電気信号は全てサイン波の合成ですが、これそのままの形がアナログ、符号化したものがデジタル思って構いません。つまり信号が直接数値を示しているのがアナログで、デジタルでは信号の数値とは別の意味を持っているわけです。

◆なおカーオーディオでアナログというと、ネットワークを使ったスピーカー・システムのことを指すようですが、必ずしもそれだけがアナログとは限りません。アナログのチャンネル・デバイダーを使ってマルチアンプにすることもできますが、これもアナログであることに変わりはありません。ネットワーク使用の場合は、正しくはパッシブというべきでしょう。

アンプ

◆日本語では増幅器といいます。アンプリファイヤーの略ですが、英米ではアンプとはいわないようです。単にAmp.というとアンペアのことになってしまいますし。またフランス語ではアンプリと略すようです。

◆CDにしろなんにしろ、ソースから取り出された信号はごく微弱なもので、それだけでスピーカーを動かすだけの電力がありません。そこでその信号をそのまま拡大してスピーカーが動かせるだけの電力を与える必要がある。それがアンプの基本的な役割です。増幅にはトランジスターや真空管を使います。なお普通アンプといえばパワーアンプのことを指し、プリアンプは単にアンプとは呼ばないのが一般的で誤解を招きません。

アンペア

◆電流の単位です。Aと記します。1Aは1Ωの抵抗に1Vの電圧をかけたとき流れる電流の量を示します。つまりどれだけの電流が流れるかは回路の抵抗値とそこにかかる電圧によって決まるということです。

イコライザー

◆等価器というのですが、実際の装置とは少しかけ離れた感じもします。むしろ補正器と思った方が近いかもしれません。レコードのフォノ・イコライザーなど、特定の特性で録音されたものを元に戻すといった機能が典型的ですが、むしろ現在ではグラフィック・イコライザーなどの方が一般的でしょう。通称グライコといいますが、分割された帯域ごとに音を増減することができます。その様子がグラフ状に表わされるのでグラフィックと呼ばれるのです。

◆このほかパラメトリック・イコライザーといってグライコと同じ働きをしますが、帯域の中心周波数や変化の度合いなどが変更できる種類のものもあります。

位相

◆電気信号はサイン波の合成でできています。そしてそれがどんなに複雑な波形になっていても、必ず周期というものがあります。その周期がどれくらいの速さで繰り返されるかによって周波数が変わるわけです。この1周期は360度と数えます。

◆普通は0度のところから信号が始まって360度で終わります。あとはその繰り返しになるわけですが、なんらかの原因で0度からずれたところで始まることもないではありません。例えば30度から始まって360度を通り越し、次の30度で終わるという具合です。同じ信号でも度数がずれていますから、0度から始まったのとは別と考えなければなりません。極端な例を挙げると、180度ずれている場合があります。この場合を特に逆相といいますが、スピーカーに入力するとどこか引っ込んで聴こえる。特にステレオですと左右に広がってしまって焦点を結びません。こういう具合に、同じ波形でも度数がずれれば別の信号になってしまうのです。

◆この度数のことを位相といいます。ことに位相のずれた信号が合成されると波形そのものも変化してしまいます。スピーカーでも2つのユニットの位相がずれていたり、位相は合っていても耳までの距離が異なれば到達時間がずれます。いずれも合成された波形は微妙に変化して音そのものを変えてしまうのです。このように位相というのは周波数特性とともに、音質にとって重要な影響を持つものだということを認識してください。

インダクタンス

◆誘導係数といいます。L成分などともいいますが、単位はヘンリーというのを使います。コイルに関係します。

◆コイルというのは導線を巻いたものですが、直流を流している分には何も影響を与えません。ただコイルの内側には磁力線が走っています。ところが交流を流すと事情が違います。交流では絶えず電流の向きと大きさが変化していますが、この変化に伴って内側の磁界を弱めまいとする方向で電圧が生じるのです。この現象を自己誘導といいます。そしてこのときの電流の変化の速さと電流の大きさの比を誘導係数またはインダクタンスと呼ぶのです。

◆電流の変化の速さとは周波数のことですから、インダクタンスは周波数に関係します。これによって一定以上の周波数を通さないという現象も生じます。これを使ったのがローパス・フィルターですが、コンデンサーとちょうど逆の現象になります。コンデンサーは一定以下の周波数を通さないからです。

◆なお2つのコイルを近接させて片方に交流を流すと、他方にも電流が生じます。相互誘導といいますが、これを応用したのがトランスです。

インピーダンス

◆単純にいえば抵抗のことです。ただ直流と交流では抵抗のふるまいが異なるのです。例えばコイルでは直流は通すが交流は一定以下の周波数しか通しません。逆にコンデンサーでは直流は通りません。このように抵抗の現れ方が違うので、特に交流抵抗のことをインピーダンスと呼ぶのが一般的です。スピーカーの入力インピーダンスというのも交流に関するものです。

ウーファー

◆スピーカーのドライバー・ユニットのうち、低域用に作られたもののことをウーファーと呼びます。トゥイーターなど高域用ユニットに比べて口径がおおきく、マグネットも大型になるのが普通です。ただし一般的には振動板の強度その他の理由から、口径は38cm(15インチ)前後までのものが広く用いられています。 ◆低域用で口径が大きくなるのは、低音がそれだけ多くのエネルギーを必要とするからです。大量の空気を振動させなければならないため、大口径でマグネットの強力なユニットが必要というわけです。

S/N

◆信号(signal)と雑音(noise)の比のことです。SN比と読みます。単位はdB。アンプなどの電気回路でどれだけノイズが多いか少ないかということを示すための基礎的なデータといえます。あくまで電気回路の素性を表すものですから、電源のないスピーカーやアナログ・プレーヤーなどパッシブな機器には使用しません。数値が高いほどノイズが少ないということを意味しますが、数値には現れなくとも聴感上での差異を感じることもあります。そういう場合は本来ならS/N感とでもいうべきでしょう。

エッジ

◆スピーカーの振動板とフレームをつなぐ支えの部分のこと。文字通り縁です。スピーカーをよく見てください。コーンの一番外側の部分が盛り上がっているはずです。逆に窪んでいることもあります。そしてこの部分がコーンと同じ材質ではなく、別の素材を継いでいるのがわかるでしょう。ここがエッジと呼ばれる部分です。

◆エッジにはいくつかの役割があります。ひとつはコーンを支えて正しくセンターを出すこと。また内部を密閉する働きもあります。埃の問題ではなく、空気が漏れると正しい動作にならないからです。さらにコーンが自由に動けるようにしておくことも必要です。そのために丸みを持たせて動きの幅を作っているわけです。エッジの材質や形状でも音は大きく変わるため、設計の重要なポイントともなっています。

エッジワイズ

◆コイルの線の巻き方です。主にボイスコイルについていわれます。

◆普通導線は丸型です。丸い線を巻くと、どんなにぴったり巻いても隙間が空きます。それだけ密度が低くなるわけです。そこで角型の導線を作り、これをぴったり揃えて巻くと隙間がなくなります。この巻き方をエッジワイズ巻きといいます。線の密度が高くなるので巻数が少なくても強い力を出すことができ、スピーカーの駆動力が向上する仕組みです。

エンコード

◆ ドルビー・デジタルやDTSなど特定の形式で信号を作ることをエンコードといいます。本来コードないしコーディングというのは暗号のことです。暗号化することをエンコード、これを解読することをデコードといいますが、信号の記録にも同じいい方を使うようになりました。ですから元の形に戻す装置はデコーダーといいます。

オクターブ

◆ひとつ上または下の同じ音、というと感覚的にはわかるでしょうが、つまり低いドと高いドといった関係です。周波数で見ると、これらの音は2倍あるいは半分という関係になっていることがわかっています。楽器の調音の基準になるA(ラ)の音は440Hzですが、1オクターブ上のラは880Hz、下のラは220Hzとなる計算です。オーディオでよく使うのはクロスオーバー・ネットワークで、OOdB/octという表示があります。このoctがオクターブのことで、周波数が半分または倍になるとOOdB減衰するということを表わしています。

オーバーサンプリング

◆例えばCDだと44.1kHzというように、デジタル録音では信号を毎秒何回取り出すかということが決まっています。44.1kHzということは毎秒44,100回ということです。この周波数のことをサンプリング周波数といいます。

◆これを再生するとどうなるかというと、まず44.1kHzの階段状の波形が出てきます。階段のひとつひとつが信号のレベル(大きさ)を表わしているわけですが、このままでは音にならないのでローパス・フィルターを通します。すると階段を形成している高域成分が消えて、20kHz以下の音声帯域だけが残るという仕組みです。

◆ところでここに問題がひとつあります。サンプリング周波数を中心に上下に20kHzの幅でノイズが広がっているということです。このノイズが入ると非常に耳障りな雑音が出るので、完全に除去しなければなりません。しかし44.1kHzから20kHz下というと24.1kHzです。音声帯域との差はわずかに4.1kHz。このわずかな間隔で高域を遮断するには、大変急峻な減衰特性を持つフィルターが必要になります。

◆もっともそういうフィルターがないわけではありません。実際初期の頃はそれしかないので多くのメーカーで使っていました。しかしこれには別の問題があって、フィルターが急峻だと位相がずれ、ぎすぎすした刺々しい音になりがちなのです。

◆そこで考えられたのがオーバーサンプリングという手法です。これはデジタル・フィルターを使ってタイミングのずれた信号を作り、元の信号と合わせて見かけ上階段の数が2倍に増えたようにするものです。もう一度同じことをすれば4倍になります。情報量そのものは変わりませんが、サンプリング周波数は2倍4倍とどんどん高いほうへ移っていきます。すると残すべき20kHzとの間隔が広がりますから、フィルターの特性も緩いもので済むことになります。結果的に特殊なフィルターも必要なくなり、音質が保たれるという具合です。

◆現在ほとんどのCDプレーヤーでオーバーサンプリングの手法は使われています。デジタルに必須の技術といって差し支えありません。

オペアンプ

◆英語ではOPアンプと書きます。オペレーショナル・アンプリファイアーのことで、トランジスターなどのパーツを組み合わせて作った回路ではなくIC化されたチップになっています。元は計算機用に作られたものなので、オーディオ用としては回路を小型化できるメリットはありますが、音質の点ではそれほど期待されていませんでした。ただ場合によってはアンプの入力段やCDプレーヤーなど、ハイグレードな製品にも入っていることがあります。現代では必ずしも安物専用というわけではなさそうです。

オーム

◆抵抗の単位。ドイツ人学者ゲオルク・シモン・オームの発見したオームの法則に因むものです。

オームの法則

◆電気の最も基本的な法則で、抵抗=電圧÷電流。記号ではR=E/Iと書きます。つまり電圧は抵抗に比例し電流に反比例するということを表わしています。

◆ところでこれの発展として、電力=電圧×電流というのもご存じでしょう。そこで先ほどの式を変形すると電流=電圧÷抵抗。そこでこれを代入すると電力=電圧×(電圧÷抵抗)つまり電力=電圧の2乗÷抵抗となります。電流値がわかっていないときに、電圧と抵抗とから電力を算出するのに便利です。

音場

◆文字通りに読めば音の鳴っている空間という意味ですが、オーディオではちょっと別の意味にも使います。つまりソースに含まれる演奏会場(ホールやスタジオ)、その演奏が行われている空間のことを指すのです。音場感がいいとか悪いとかというのはこのことで、つまり空間の再現力ということを言っているわけです。ステレオでは音像を定位させることができますが、楽器やボーカルといった個々の音像だけでなくその周囲の空間まで感じさせることも可能です。そのときの空間のことを音場というのだと考えていいでしょう。

音像

◆ステレオは立体的な音を再生する仕組みですが、いい装置を使うと声や楽器を空間中の一点に定位させることができます。ちょうどそこに像が焦点を結ぶように音が浮かぶので、音像と呼ぶのです。スピーカーによっては音像が巨大になってしまったり、ぼんやりとかすんでしまうこともあり、ステレオ特有の現象といえます。

温度補償

◆トランジスターなどに使われている半導体は、温度が変わると電流が変わり、回路の動作がずれてしまいます。通常の回路は温度が上がると抵抗も増加しますが、この逆の特性を持つ素子を入れておいて常に抵抗が一定になるようにすれば、回路の動作は同じ状態に保たれることになります。例えばサーミスターといって温度が上がると抵抗が減少する素子がありますが、これを回路に入れて温度による抵抗変化を防ぐのが温度補償です。熱補償ともいいます。