英国発・スーパーハイエンドブランド「AUDIO WAVE」から、大注目のニューモデル登場! 緊急インプレッション・リポート!! <中編> | Push on! Mycar-life

英国発・スーパーハイエンドブランド「AUDIO WAVE」から、大注目のニューモデル登場! 緊急インプレッション・リポート!! <中編>

高級車載用パワーアンプの開発に特化した、英国を本拠地とする気鋭のスーパーハイエンドブランド「AUDIO WAVE」。この度同社から、まったく新しいパワーアンプが発売された。その名は『EXCEL CA(エクセルシーエー)』だ。

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AUDIO WAVE・EXCEL CA(エクセルシーエー)
  • AUDIO WAVE・EXCEL CA(エクセルシーエー)
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  • AUDIO WAVE・EXCEL CA(エクセルシーエー)
  • 左がEXCEL CA、右がAspire Proシリーズ。

高級車載用パワーアンプの開発に特化した、英国を本拠地とする気鋭のスーパーハイエンドブランド「AUDIO WAVE」。この度同社から、まったく新しいパワーアンプが発売された。その名は『EXCEL CA(エクセルシーエー)』だ。

当サイトではこのニューアンプの実力を検証すべく、ただちに試聴取材を申し込みそれを実行した。先週はテストに先立って、『EXCEL CA』の主要スペック等、概要を速報したのだが、今週からはいよいよ、テストの模様をじっくりとリポートしていく。

■試聴システムは、「ZRスピーカーラボ」の名スピーカーはじめ、精鋭で構成。

最初に、テスト環境をご紹介しておこう。試聴会場は、「AUDIO WAVE」の正規輸入代理店であるイース・コーポレーションの試聴室。用いたテストシステムは以下のとおりだ。ソースユニットとしてPCを使い、その中に格納しているFLACデータをUSB DACを介してパワーアンプに送り込む。リファレンススピーカーとして使用したのは、スロヴェニア発のスーパーハイエンドブランド「ZRスピーカーラボ」の“スーパーハイエンドの入門機”、『ZR Entry Line(エントリー ライン)』(税抜価格:38万8000円)である。

ケーブルにも高級モデルを配した。ロシアの名門「チェルノフケーブル」の精鋭で固め、具体的にはラインケーブルが『Classic MKll IC165』(税抜価格:8万7000円/1.65m)、スピーカーケーブルが『Classic MKll SC/1』(税抜価格:9300円/1m)、そして、パワーケーブルが『STANDARD DC Power 8AWG』(税抜価格:1300円/1m)、という顔ぶれだ。

なお今回はバッテリーに、注目すべきニューカマーを採用した。米国のハイグレードバッテリーブランドである「XSパワー」社の製品をチョイスしたのだ。当ブランド、そして同社のラインナップについては、改めて詳細な紹介記事をお届けしたいと思っている。しばしお待ちいただきたい。

■ルックスの印象は『Aspire Pro シリーズ』と同様。しかしながら小型化を達成。

続いては、実機と対面しての感想をお伝えしていこう。まずデザインは、『EXCEL CA』の上位モデルである『Aspire Proシリーズ』と同様のテイストだ。しかしながらサイズはぐっと小型化されている。『Aspire Pro シリーズ』のスタンダードモデル、『Aspire Pro』が、378×339×64mmであり、『EXCEL CA』は314×295×64mm。高さは同じだが、幅が約60mm、奥行きが約40mm短くなっている。その2機を横に並べた写真も掲載しているので、そちらを見ていただくと違いが分かるだろう。『Aspire Pro』も大き過ぎるパワーアンプではないが、『EXCEL CA』はサイズ感がほど良く感じられた。存在感がありながら、インストール性が高められている。

興味深かったのはヒートシンク部分。筐体に対してのヒートシンク部分の面積の割合が、『EXCEL CA』のほうが大きいのだ。アイドリング電流はA級の割にそれほど大きくはないので放熱量も限定的だと思われるが、その対策に抜かりがないことが見て取れる。ちなみに、『Aspire Pro シリーズ』のA級モデルである『Aspire Pro CA』には、放熱効果を高めるための電動ファンが3機設けられているが、『EXCEL CA』に電動ファンはない。このサイズのヒートシンクがあれば熱対策は十分、というわけだ。

ところで『EXCEL CA』および『Aspire Pro CA』では、スピーカーのインピーダンスの数値が低くなるほどに、スペック上の定格出力が小さくなる。一般的なパワーアンプでは、インピーダンスが下がるにしたがって定格出力は大きくなるのだが、『EXCEL CA』と『Aspire Pro CA』ではなぜにそうならないかについても解説しておきたい。

その理由をひと言で言うならば、「アンプが大量の電流を消費しないように設計されているから」である。もしも一般的なパワーアンプのように、低インピーダンスのスピーカーを接続したときに定格出力が2倍になるように設計すると、A級動作をするパワーアンプでは、筐体が少なくとも2倍または3倍のサイズにしなければならなくなる。そうなると、カーオーディオ用に考えられる筐体サイズから逸脱し、さらにはクルマの電装システムに障害を及ぼすほどの大電流を消費することになるわけだ。そうならないために、負荷インピーダンスを低くした場合でも、電流容量が増えないように、発熱し過ぎないように設計されている、というわけなのだ。

■「AUDIO WAVE」ならではの、そして“A級”ならではの魅力を堪能できた。

さてここからはいよいよ、音の印象についてのリポートに進んでいく。

結論から入りたい。税抜価格38万8000円のスピーカーと、同39万円のパワーアンプが組み合わされ、そして高級ケーブルがおごられたシステムのサウンドが、悪いはずはなかった。パソコン画面の再生ボタンをクリックした瞬間に、期待どおりのHi-Fiサウンドが目の前に広がった。

すっきりと見通しがよくS/N感が高いあたりは、さすがは「AUDIO WAVE」といったところだろう。無駄な響きがなく、音と静寂がくっきりと分離している。

各帯域ごとに注力して聴いてみると、当アンプの実力の高さを、よりはっきりと確信することができた。低域は密度感が高く、弾力感も十分。中域も情報量がしっかりと確保されていて濃厚だ。余韻も実に美しい。滑らかなグラデーションを描きながら音がすっと消えていく。高域もきめが細かくスムーズだ。小さな音量で録音されているトライアングルの音も、輪郭がシャープに描き出されている。

そして聴き込むほどに、サウンドの質感の高さを実感した。響きがとにかく豊潤でリッチだ。暖かみもあり、耳当たりも至って心地良い。この上質感は、“A級”ならではのものだろう。倍音が豊かに乗っていて、1音1音に充実感がみなぎっている。

価格に対する満足感も高い。簡単に手を出せる価格でないのは確かだが、背伸びをすればなんとかなりそうなレベルに収まっている。「AUDIO WAVE」ならではの魅力が十二分に味わえる好機であることは間違いない。

テストはさらに続けられた。上級機『Aspire Pro シリーズ』の2モデルとの比較試聴、さらには、「ZRスピーカーラボ」のトップエンドスピーカー、『ZR Extravagance Line(エクストラヴァガンス ライン)』と組み合わせての音も確認してきた。それらについてのリポートは、次週にお届けする。乞うご期待。

《太田祥三》

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