「完結型」か「ハブ型」か…。現代カーオーディオにおける“コントロール・ユニット”の選び方を、徹底考察! 前編・「完結型」の利点と特徴 | Push on! Mycar-life

「完結型」か「ハブ型」か…。現代カーオーディオにおける“コントロール・ユニット”の選び方を、徹底考察! 前編・「完結型」の利点と特徴

“コントロール・ユニット”は2タイプに分類できる。ソースユニット、DSP、パワーアンプまでをコンプリートしたオールインワンの「完結型」メインユニットか、ソースユニットの「ハブ」の役目も果たす、外付けDSPかのいずれかだ。

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ダイヤトーンサウンドナビの装着例。製作/サウンドステージ(香川県)

“コントロール・ユニット”は2タイプに分類できる。ソースユニット、DSP、パワーアンプまでをコンプリートしたオールインワンの「完結型」メインユニットか、ソースユニットの「ハブ」の役目も果たす、外付けDSPかのいずれかだ。

それぞれには、向き・不向きがあり、音質性能やインストール性能においても利点と不利点がある。さらには使い勝手も異なる。

これから本格システムを組もうと思ったとき、果たしてどちらのタイプを選ぶべきなのか…。そこのところを2回にわたり、じっくりと検証していこうと思う。前編となる今回は、「完結型」について検証していく。

■「向き・不向き」、“音質面”&“インストール面”での「有利・不利」。

本格ハイエンドシステムに対応可能な「完結型」“コントロール・ユニット”と言えば、具体的には以下の3機種が挙げられる。三菱電機のAV一体型カーナビ、『ダイヤトーンサウンドナビ・シリーズ』と、カロッツェリアの1DINメインユニット、『DEH-P01』と『DEH-970』、以上だ。

まずは、これらがどのような車両に“向いている”のか考えていく。これについては答は簡単だ。ズバリ、「純正オーディオが交換可能なクルマ」、である。もしくは、「オーディオレス車」だ。これらを使いたいと思っていて、これから新車を購入するという場合には、必ず「オーディオレス車」を選ぼう。そうれば合理的にハイエンド・カーオーディオシステムを組むことが可能となる。

さて、次は音質面でのメリット、デメリットを考えていこう。とはいいつつ、音質面においては、「完結型」と「ハブ型」で、大きく変わる部分は少ない。「ハブ型」には、より詳細にコントロールできる機種が多いが、それぞれが優秀機であるので、どちらが音がいいかは、一概には言えない。

ただし、次の2点に関しては特徴がある。まず「完結型」は、「CD再生時の音質が良い」。「ハブ型」を使用するときは、純正オーディオや市販ナビをCDプレーヤーとして接続することになるわけだが、それらよりも、オーディオ専用機である「完結型」のメインユニットのほうが、CD再生性能においてアドバンテージがある。

逆に1点、不利な点もある。それは、「RCAケーブルが長くなりがちなこと」だ。特にパワーアンプをトランクに積むような場合には、そこそこに長いRCAケーブルが必要となる。対策を講じれば大丈夫ではあるが、RCAケーブルは長くなるほどにノイズ混入のリスクが高まる。さらには、長くなるとより高価にもなっていく。このことは、頭のすみに置いておいたほうがいいだろう。

しかし、インストール性においては利点がある。純正ナビや純正オーディオを取り外せば、装着するスペースを確保できるのだ。

ただ、1DIN機の場合には、ナビを使いたいと思ったときに少々話が違ってくる。計3DIN分のスペースが必要となるので、1DIN機を設置する場所をどこかに確保しなくてはならなくなるのだ。

■“使い勝手”の良さでは、「完結型」に軍配が…。

次には、“使い勝手”について考えていこう。結論から言ってしまうと、「完結型」は“使い勝手”が高い。ここが最大の利点だと言って間違いない。

まず、音量や選曲の操作が集約されるので、操作にストレスがない。「ハブ型」の場合は、選曲等は各ソースユニットで行い、ボリュームはDSPのコントローラーで行う、という形になる場合が多い。操作内容によって手を伸ばす場所を変えなければならないのは、最初は特に、少々面倒だと感じるのではないだろうか。慣れれば問題はないが、操作はシンプルであるほうがいい。その点で、「完結型」メインユニットには優位性がある。

サウンドチューニングも、「完結型」のほうがやりやすい。外付けDSPの場合、チューニングのために、PCやタブレットを車内に持ち込む必要性が生じるが、「完結型」ならば、本体さえあれば調整が行える。

特に、2DIN機である『ダイヤトーンサウンドナビ』は、画面が大きいのでチューニングもやりやすい。調整時以外でも、曲名やアートワークを大きな画面で見られ、視認性は全方位的に良好だ。

また、『ダイヤトーンサウンドナビ』には、当機ならではの調整機能、「マルチウェイタイムアライメント」が搭載されている。これを使えば、マルチアンプシステムを構築せずとも、トゥイーターとミッドウーファーを個別に、詳細にコントロールすることが可能だ。

さらに言うと、『ダイヤトーンサウンドナビ』には、HDMI端子も備わっている。これがあることにより、スマホのミラーリングが可能となる。この点も含め、『ダイヤトーンサウンドナビ』は、相当に使い勝手が高い。使い勝手の良さで“コントロール・ユニット”を選ぼうと思うなら、『ダイヤトーンサウンドナビ』は、候補の筆頭になるだろう。

ところで、『DEH-P01』と『DEH-970』においては、コストパフォーマンスの高さが際立っている。前者で税抜10万円、後者はなんと、税抜3万5000円だ。パワーアンプ内蔵のDSPであり、そこにさらにソースユニットも付いてこの価格というのは、断トツにお買い得である。このリーズナブルさは、何ものにも代え難い魅力と言って過言でない。

「完結型」の“コントロール・ユニット”の利点と特徴は以上だ。探せば少々の不利点もあるのだが、各機それぞれ、絶対的な利点も有していて、なかなかに見どころが多い。

さて明日は、「ハブ型」の“コントロール・ユニット”の利点や特徴を解説していく。これから本格的なハイエンド・システムを組もうと思っている方は、今日、明日の記事を、大いに参考にしていただきたい。次回も、お読み逃しなく!

《太田祥三》

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