夏の高校野球で起きた、珍記録5選 | Push on! Mycar-life

夏の高校野球で起きた、珍記録5選

今年で第98回を迎える全国高等学校野球選手大会。もう既に、甲子園出場を決めているチームも増えてきた。

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松井秀喜 参考画像(2015年10月17日)
  • 松井秀喜 参考画像(2015年10月17日)
  • 甲子園球場

今年で第98回を迎える全国高等学校野球選手大会。もう既に、甲子園出場を決めているチームも増えてきた。

プロ野球とは違い、負ければ終わりの一発勝負の中、これまで高校球児達は、幾度の熱いプレーを見せてくれた。

今回は、そんな高校野球だからこそ起きた、珍記録5選を紹介する。

1.松井秀喜、5打席連続敬遠

1992 年8月16日に行われた、第74回全国高等学校野球選手権大会2回戦の明徳義塾対星稜でこの出来事は起きた。

松井秀喜氏(当時3年)は、1年生から4番を任され、甲子園出場を果たしていた。対戦相手の明徳義塾・馬淵史郎監督(当時)は「高校生の中に一人だけプロがいる」と松井氏を評価し、直接勝負を避けることを決めたのだ。そしてこの試合、松井氏は全5打席に立ち、ランナーがいない場面でも敬遠され、全打席で勝負を避けられたのだ。

最終打席で敬遠された際には、スタンドから野次が飛び交い、グランドにメガホンなど、物が投げ込まれる騒動へと発展した。この事態にマスコミや高校野球連盟からは明徳義塾に対し、バッシングが相次いだ。

2.インフィールドフライでサヨナラに

2012年7月12日神奈川大会1回戦、日大藤沢対武相の試合はあっけない幕切れとなった。

2対2の同点で迎えた9回裏1アウト満塁の場面で、日大藤沢の1番・伊藤修太選手が、ショートフライを打ち上げると、インフィールドフライが宣告されアウトになった。

武相ナインがホッとすると、その隙をついた3塁ランナーが本塁に生還し、サヨナラ。

武相はすぐさまタイムを要求したと抗議。だが判定は覆らず、記録はホームスチール(本盗)となった。

3.振り逃げ3ラン

2007年7月28日に行われた、神奈川大会準々決勝、横浜対東海大相模の強豪同士の戦いは、予期せぬプレーが、試合の明暗を分けた。

この試合の4回表に、東海大相模は3点を先制し、なおも1アウト一、三塁の場面。

打者・菅野智之投手(現巨人)は、2ストライク2ボールから、投げたボールを、ハーフスイングした。球審は一塁塁審に確認をしたうえで、3ストライクと判定した。

だが三振ではないため、アウトは成立しておらず、横浜ナインはこれをアウトだと勘違いしてしまい、ベンチへと引き下がってしまった。

この隙に打者の菅野投手は、ダイヤモンドを一周した。この4回が決め手となり、東海大相模は6対4で横浜に勝利した。

4.122対0

高校野球では、戦力差などの理由から、大量得点が入ることは珍しくない。そんな中、高校野球の公式戦史上、最も多くの得点が入ったのは、1998年7月18日に行われた、青森県大会2回戦、東奥義塾対深浦の一戦だ。

東奥義塾は、1回表にいきなり39得点を挙げると、2回以降も、毎回10得点以上を挙げる猛攻をみせ、最終的に122対0というスコアで試合を終えた。

当時の青森大会では、7回が終了するまでは、コールドが成立せず、このような大量得点差となってしまった。

この一戦は、ワイドショーなどで大々的に取り上げられるなど、多くの話題を生んだ。

5.星稜と小牧大谷の2年間に及ぶ9回裏逆転劇

記憶に新しい、2014年7月27日に行われた、石川県大会決勝、小松大谷対星稜の試合は9回裏にドラマが起きた。

23年ぶりに決勝へ進んだ小松大谷は、強豪の星稜相手に、8対0と8回まで完璧に抑えていた。だが9回裏を迎えると、それまで好投していたエース・山下亜文投手(現ソフトバンク)が疲労の色を見せ、星稜の打線に捕まり、2点を返されてしまう。

ここで小松大谷は、投手交代をするも、流れは戻らず、なんと8点差をひっくり返され、9対8で星稜がサヨナラ勝ちを決め、2年連続17度目の優勝を果たした。

改めて、野球は最後まで何が起きるかわからないことを、再確認させられた試合だった。

敗れた小松大谷は、翌年の7月24日に行われた、石川県大会準々決勝で、再び星稜と対戦し、9回裏に、3対0から4点を取り、逆転サヨナラ勝ちをし、雪辱を晴らした。

こうして珍記録を見てみると、神奈川に集中して、起きているいることが判明した。やはり全国で、最も高等学校の数が多いことが、関係しているのだろうか。

高校野球には、有名や無名があるものの、純粋に球児達のプレーを見るのが楽しみの一つでもある。そして、予期せぬドラマが今年も生まれることは間違い無いだろう。

《荒井隆一》
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