本格システムを組むのなら、コイツの力が必要だ! 『パワーアンプ』その“攻略法”を大研究! 番外編「パワーアンプ導入における大切な豆知識」 | Push on! Mycar-life

本格システムを組むのなら、コイツの力が必要だ! 『パワーアンプ』その“攻略法”を大研究! 番外編「パワーアンプ導入における大切な豆知識」

本格システムを構築する上での重要ユニットであるパワーアンプ。その選び方・使い方を解説してきた。今回はその番外編として、安全性に関することから、ちょっとしたコツまで、パワーアンプ使用時の重要な“豆知識”の数々を、片っ端からご紹介していく。

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本格システムを構築する上での重要ユニットであるパワーアンプ。その選び方・使い方を解説してきた。今回はその番外編として、安全性に関することから、ちょっとしたコツまで、パワーアンプ使用時の重要な“豆知識”の数々を、片っ端からご紹介していく。

■今回の講師は、“サウンドカーペンター”(愛媛県)の仲尾さん

最初に、取り付け上での注意事項からご紹介していきたい。実際はプロショップにお任せすることであり、そのすべてをこと細かく理解する必要はないのだが、この機会に知っておいていただきたいと思うのだ。

まずは、電源確保に関連した豆知識から、仲尾さんに教えていただいた。

「通常、パワーアンプの電源はバッテリーから直に引っ張ります。このことを“バッ直”と言うのですが、その際には、バッテリーの側(エンジンルーム内)にメインヒューズを設定する必要があります。ヒューズはさらに、パワーアンプの直近にも、1台に対して1つずつ設定すべきです。

電気に関する安全性の確保は非常に重要です。マイナス側の電流が流れているボディにプラス側の配線の導体が直に触ってしまうと、“ショート”が起こります。“ショート”を起こすと一瞬で膨大な電気が流れますので、最悪、車両火災につながることもあり得ます。ヒューズを設定することでそれを防止できますし、パワーアンプを守るためにもヒューズは設定したほうが良いですね。

ただ、音質を最優先するとき、パワーアンプの直近のヒューズを省くケースはあり得ます。お店としては積極的にお薦めしてはいませんが、各自のご判断でそのようにされる方はいらっしゃいますね。

そしてもう1つ。マイナス側のケアも重要だと考えています。ボディからバッテリーに戻す部分の、いわゆる“アーシング”には気を配るべきだと思いますし、当店では、メインバッテリーがトランクルームにある車種では、マイナス側もバッテリーに直で繋ぐようにしています」

次には、電源強化に関する豆知識をお訊きした。

「パワーアンプを複数台搭載する場合には、パワーアンプの消費電力を計算して、必要があればサブバッテリーの搭載も視野に入れたいですね。

キャパシターの導入に際しては、適宜の容量のキャパシターを、アンプ1台につき1基入れることが理想だと思います。容量の大きなキャパシター1台で複数のパワーアンプをまかなおうとするよりも。キャパシターは、アンプの近くに置いたほうが効果を発揮できますし」

■設置においては十分なクリアランスを設け、熱を逃がす方策も取るべし

さらには、熱対策についてもお訊きした。

「放熱量が少ないパワーアンプもありますが、基本的にはパワーアンプは熱を持つと考えておくべきです。当店では、魅せるインストールでない場合には、アンプの下側のパネルにはできるだけ大きな開口部を設け、上側にも十分なクリアランスを取るようにしています。魅せるインストールを実施して周囲のクリアランスが十二分に確保できない場合でも、最低限の空気の通り道は確保し、吸気側、排気側それぞれにファンを付けています。状況によっては、排気側だけに2つ付けてみたり。アンプの設置においては、熱対策も必須です」

仲尾さんにはさらに、パワーアンプの使い方に関する豆知識(これまでの記事内で触れていなかったこと)も教えていただいた。

「フロント2ウェイをマルチ駆動する場合、2chアンプをL・Rで使い分けるのもアリです。内部の電源が、chごとに独立しているモデルの場合に限るのですが、そのようなタイプのアンプを使う場合には、当店ではむしろ、左右で1台ずつとするケースのほうが多いですね。chセパレーションを優先させているんですよ。

あと、フロントスピーカーに複数台のアンプを使う場合は、他メーカーのアンプを使うことは避けたほうが良いと思います。好きなアンプがあって、トゥイーターだけでもどうしてもこのアンプで鳴らしたい、というようなケースにおいてはその限りではありませんが、“音色を揃える”ことは非常に重要ですので、“同一メーカー同一シリーズで統一”するのが無難だと思います。

さらに、パワーアンプを使うときには“ゲイン調整が非常に重要である”、ということも頭に入れておきましょう。ゲイン調整のやり方には各ショップごとでノウハウがあるのですが、測定機を用いる等をして適正なゲインを見つけ出し、各機ごと、各chごとのバランスを、可能な限り厳密に割り出したいですね。そうすることで、プロセッサーでのレベル調整等を最小限に抑えることが可能となります。そもそものバランスが崩れていると、プロセッサーでの調整が難しくなりますし、遠回りをすることになってしまいますから」

いかがだっただろうか。これまでの記事でフォローできていなかったことを、いろいろとお訊きすることができた。パワーアンプを使うシステムにおいては、ケアすべきポイントが多々ある。音のためにも、安全のためにも、やるべきことが多いのだ。

音質を追求していく場合、最終的には外部パワーアンプの使用はマストだ。正しく使って、その魅力を味わい尽くしていただきたいと思う。いつかは外部パワーアンプを、ぜひ。

《太田祥三》

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