西日本に猛烈寒波襲来…高荷智也氏が語る「被害の想定と対策」 | Push on! Mycar-life

西日本に猛烈寒波襲来…高荷智也氏が語る「被害の想定と対策」

 ウェザーニューズが「約40年ぶり」と称した猛烈な寒波。同Webサイトは、週末の大雪に備え最大限の準備をするよう呼びかけている。テレビなどのメディアで活躍し、備え・防災アドバイザーで、危機管理コンサルタントの高荷智也氏に予測される事態とその対策に関し聞いた。

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 ウェザーニューズが「約40年ぶり」と称した猛烈な寒波。同Webサイトは、週末の大雪に備え最大限の準備をするよう呼びかけている。1月23日にはラ・サール中(鹿児島)、高槻中(大阪府)などで受験が実施される予定もあり、外に出る際に注意すべきポイントを求めている保護者も多いのではないだろうか。

 テレビなどのメディアで活躍し、備え・防災アドバイザーで、危機管理コンサルタントの高荷智也氏に、想定される被害とその対策を聞いた。

寒波・大雪が発生することで生じる被害と対策

 寒冷地の場合は普段から低温・大雪への対応ができていますが、普段雪が降らない地域や温暖な地域で極端な気温の低下や降雪が生じた場合、次のような被害が生じる可能性がありますので準備をしておきましょう。

【寒波による影響】
 ・水道管の凍結による断水
 ・着雪で送電線が断線することによる停電
 ・大雪による公共交通機関の停止と流通のマヒ

 原則としては、外出をしなくてすむように、食料品や生活用品を買い足して置きましょう。ただし寒波や降雪は永続的なものではなく一時的なものですから、くれぐれも買い占めなどをすることがないように、数日分程度の備蓄とするように心がけてください。

食料関係の準備について
―調理しなくても食べられるものを準備―

 停電で調理ができなくなった場合に備えて、そのまま食べられるものを用意しておきましょう。パン類、菓子類、シリアル類、果物類などが適当です。また水道管の凍結に備えて、ボトルに詰めた水やペットボトルのお茶を用意しておきましょう。

 インスタント食品や非常食として売られているアルファ米などは、食べる際にお湯(または水)が必要になりますので、後述の「お湯の準備」をしておく必要があります。パンや果物、お茶類を用意した場合は、凍結しないように箱に入れて毛布などをかぶせておくか、冷蔵庫に入れておくなどの対策を取っておくとよいでしょう。

 なお、寒波は一時的なものですので、最大でも3日分程度の蓄えがあれば十分です。買い占めは混乱を生じさせるもとになりますのでくれぐれも慎むようにしてください。

今晩中に用意するものは?
―停電しても使える調理器具および燃料、お湯の準備を―

 カセットコンロとガス、上にものが置けるタイプの灯油ストーブと灯油など、停電時に使える調理器具を準備しておきましょう。調理器具があれば、家庭にある食材を使って普段通りの食事を用意することができます。

 また、魔法瓶にお湯を沸かしてつめておき、毛布などで巻いておきましょう。停電や断水が生じてしまった場合に、お茶を入れたりインスタント食品を食べたりすることができます。

 ホームセンターなどでモーリアンヒートパック(編集部注:少量の水で加熱できる機材)などの発熱剤セットがあれば、レトルト食品や缶詰などを火を用いず温めることができますので、見かけたら地震対策をかねて少量買い求めておくとよいでしょう。

水道管の凍結について

 外の気温がおおむねマイナス4度以下まで低下すると、水道管の中の水が凍ってしまう可能性があります。この場合水が出なくなったり、最悪の場合水道管が破裂する恐れがありますので、対応が必要です。

 屋外に設置してある蛇口や、むき出しになっている水道管は凍結の恐れがありますので、タオルや布、毛布などを巻き付けて保温します。また雪が予想されている場合は濡れないようにビニール袋などをかぶせると効果が高まります。なお、屋外の蛇口が破裂すると、家の止水栓を閉める必要があるため、普段使わない場所だったとしても対策をする必要があります。

 また、蛇口から水を出し続けることも凍結防止になります。家中すべての蛇口から水を出しっ放しにすることは難しいため、風呂場の浴槽など、水を受けられる場所の蛇口のみ少量の水を出し続けておくとよいでしょう。この際には、風呂場の窓などはすべて閉じ、冷気が入ってこないようにします。

 浴槽に水を溜めておけば、万が一水道管が凍結してしまった場合に、トイレ用の水として用いることができますので、風呂の水は抜かないようにしましょう。これは地震対策としても有効です。

停電時の照明について

 停電に備えて明かりを用意しておくとよいでしょう。ただし、ロウソクではなくて懐中電灯と予備の電池を準備するようにしてください。万が一火災が生じた場合、積雪がひどいと消防車が出動できない恐れがあるため、非常時用の明かりに裸火を用いることは避けてください。

交通網の停止に備えて

 公共交通機関の多くが停止する可能性がありますので、どうしても外出が必要な場合は複数のルートを検討しておく必要があります。また自家用車を用いる場合、少量の雪であってもノーマルタイヤだけではまともに運転することはできませんので、絶対に避けてください。翌日絶対に外出が必要な場合は、タイヤ用のチェーンやオートソックなどを準備しておくか、前日のうちに移動を済ませておきましょう。

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高荷智也(備え・防災アドバイザー/危機管理コンサルタント)
 「自分と家族が死なないための防災対策」と「経営改善にもつながる緊急時に役立つBCP」のポイントを解説するフリーの専門家。備えや防災情報を伝える「備える.jp」を運営するほか、わかりやすく実践的なアドバイスに定評がある。テレビ・新聞・メディアなどへの出演多数。

《編集部》
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