【BMW X1 試乗】見た目変わらないのに中身は大変わり…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【BMW X1 試乗】見た目変わらないのに中身は大変わり…中村孝仁

BMW『X1』が大変わりした。と言って外観から判断する限り、ほとんど変わっていないようにも見える。

自動車 試乗記
【BMW X1 試乗】見た目変わらないのに中身は大変わり…中村孝仁
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BMW『X1』が大変わりした。と言って外観から判断する限り、ほとんど変わっていないようにも見える。

まあ、よくよく見ればフロントエンド、リアエンド共に違う。しかし、サイドビューはほとんどその違いが判らないほど、エクステリアに関していえばキープコンセプトを貫いた。しかもその名を見るとX1 xDrive 2.0iとX1 xDrive 2.5iと、旧型と何も変わっていない。

ところがである。同じ2リットルエンジンでも従来はN20B、対して今回のものはB48と型式も変わった全く新しいもの。このエンジン、実は既に『2シリーズ アクティブツアラー』などに使用されているものだ。と、ここまで書くと懸命な読者はもうお解りだろう。新しいX1は、従来の縦置きFRベースから、何と横置きFWDベースへと大転換を果たしているのである。これが大変わりの理由だ。Cセグメントの『1シリーズ』を投入した時に、BMWの生命線はFRの駆動レイアウトにあって、たとえレイアウト的に不利でもそれを貫いた当時が嘘のような変貌ぶり。しかも、最初に出たアクティブツアラーに乗った時は、やっぱりFWDは苦手なのかなぁと思わせたが、最初のマイナーチェンジというか、ディーゼルを追加した時点ですでにFWDレイアウトを完全にものにしていたから驚きであるし、さすがはBMWとうならせたものだ。

だから、新しいX1に乗ってもこれがFWDベースだと気付く人は誰もいまい。もっとも試乗車はx Drive 2.0iだから4WDであるが、フロントにエンジンは横置きされ、それが仮に4WDだとしても、フロントのアクスル荷重がFRベースと比べて増えてしまうのは自明のこと。だが、いくら乗ったところでそれを全く感じさせてくれないのがまさにBMWマジックである。

FRからFWDへと変わったわけだから、当然ながらxDriveのシステムも変わっている。果たしてどこのものを使っているのかは明らかにされていないが、いわゆるスリップをセンシングして瞬時にトルクを必要な車輪に与えるオンデマンドタイプ。もっともドライ路面での試乗では4WDの威力を発揮することはなく、果たしていつどこでどのようにトルクの受け渡しが行われたかなど、全くわからなかった。

ディメンションを見ると、3サイズは4455x1820x1610mmと、旧型に対して全長は短く、全幅が広く、そして全高が高い。特に全高は旧型より35mm高くなっていて、なんでも着座位置もそれに合わせて30mm高くなっているという。まあ、旧型だってゴンドラガレージは無理だったわけだから、多少高くなったところで大勢に影響はない。それより視界という見晴らしの良さの方が重要。そして着座位置の違いだけでなく、横置きエンジンの採用で空間的な広さの拡大も顕著である。数値は持ち合わせていないが、特にリアシートのレッグスペースと、ラゲッジルームの容量は拡大しているという。

新しいB48系のエンジンは、これもすでに2シリーズアクティブツアラーなどに採用しているものだから、その性能についてはわかっている。因みにコードネームはガソリンもディーゼルも同じものを使っているようだ。別なジャーナリストからの情報によれば、xDrive25iの方は、リアからの突き上げ感があって、BMWらしからぬ乗り味だったというが、この20iの方はそんなことは全くない。強いて言えば、装着していたピレリのタイヤが少々ハードな路面コンタクトを持っていて、入力が確かにきつめな印象はあったものの、クルマとしてのシャシー側のフラット感はしっかり出ていた。

最早、FWDベースなどものともしない、新たなSAVの姿がそこにあったという印象だ。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★★
インテリア居住性 ★★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁|AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来37年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
 

《中村 孝仁》

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