【カーオブザイヤー15 選考コメント】こんな車を作ったということに価値がある…川上浩平 | Push on! Mycar-life

【カーオブザイヤー15 選考コメント】こんな車を作ったということに価値がある…川上浩平

今年の一台を決める「日本カー・オブ・ザ・イヤー 2015-2016」が発表された。モータージャーナリストをはじめとする60名の選考委員による選考コメントが、公式サイトで公開されている。各委員の得点とともに引用し、紹介する。

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今年の一台を決める「日本カー・オブ・ザ・イヤー 2015-2016」が発表された。モータージャーナリストをはじめとする60名の選考委員による選考コメントが、公式サイトで公開されている。各委員の得点とともに引用し、紹介する。

ライターの川上浩平氏はホンダ『S660』に10点を投じた。以下は日本カー・オブ・ザ・イヤーHPに掲載されたコメントである。

「久々にスポーツカーに元気が戻った2015年。特にS660は発売と同時に、ほぼ年内生産分を完売した。現在でも待ちの状態が続いており、H研のある栃木では2年待ちという異常事態だ。こうした現象は近年稀であるし、(この手のクルマにも)潜在顧客がいることを改めて証明したと言ってもいい。そして、実車を見ればそれも納得できる。規格を超える装備と走り、しかも必須と思われる日常性を削ってまでもそれらを実現している。完成度やバランスで言えばマツダのロードスターの方が上だが、その差を埋めるだけの出自の面白さがS660にはあった。

その面白さとは、LPL(開発責任者)が若干26歳(現在27歳)という事実。開発に着手した時点だと22歳という若さだ。そんな話しはこれまで聞いたことがないし、はじめは自分の耳を疑った。一般的にクルマの開発責任者の多くは40代より上であることが多いし、それなりの経験が必要とされている。クルマという商品は技術の集積であり、つくる人間側にも時間や経験が必須なのは当たり前だと思っていた。「そんな若造にクルマが作れるかよ!」と、言う常識を見事にブレイクスルーした時点で成功であり、いろんな意味で“勝ち”だったと思う。

恐らく、この成功の影には技術の集積はもちろんのこと、多くのベテランエンジニアも介在していただろう。それでも、国内史上最年少のLPLを担ぎ、販売にこぎつけ、ガラパゴスではあっても成功事例を作った点は大きい。日本のものづくりの多様性を証明した意味でも、このクルマには価値があると断言できる」。

全投票点数は下記の通り。
ホンダ『S660』:10点
マツダ『ロードスター』:9点
スバル『レガシィ アウトバック/レガシィ B4』:2点
トヨタ『シエンタ』:2点
BMW『2シリーズ アクティブ ツアラー/グラン ツアラー』:2点

川上浩平|ライター
今年で創立123年をむかえる某大学を卒業後、北米で1977年に創業したBurtonに入社。マーケティングに配属され国内のパブリック・リレーションを担当。同社を退社の後、2000年より雑誌媒体(POPEYE、BRUTUS)を中心にクルマに関する執筆をスタート。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考員(2008年~)。趣味は中途半端に古い愛車の洗車とドライブ。

《出典:日本カー・オブ・ザ・イヤーHP》

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