【MINI クラブマン 試乗】ゴーカート感覚ではない新たな走り味…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【MINI クラブマン 試乗】ゴーカート感覚ではない新たな走り味…中村孝仁

自動車 試乗記

MINI クーパー クラブマン
  • MINI クーパー クラブマン
  • MINI クーパー クラブマン
  • MINI クーパー クラブマン
  • この角度からだと、如何に幅が広いかわかる。
  • MINI クーパー クラブマン
  • 開閉はご覧のよう。左も同様に開くが、閉める時は左から。
  • ラゲッジスペース。通常状態
  • 上段の底を跳ね上げるとご覧のようになる。ちゃんとこの状態でロックされる。
東京モーターショーで初めてその姿を見た時、「うわっデカっ!」。これが素直な印象。ところが今回の試乗会で説明を聞いて、妙に納得してしまった。というわけで新しいセグメントに向けてリリースされた『クラブマン』を紹介しよう。

ミニはこれまでリリースしたすべてのモデルが、いわゆるスモールセグメント市場のラグジュアリーモデルだった。 しかし、クラブマンの場合はスモールではなく、単なるコンパクト。簡単に言えば一クラスセグメントを上げたモデルというわけで、いわゆるゴーカートフィーリングを前面に訴求してきたこれまでとは異なり、より大人の上質感や快適性をアピールしていきたいモデルなのである。

だからサイズアップは必然。特に全幅は既存のミニが持つ1725mmから一気に1800mm へと、75mmも拡大されている。そして上質感という点では例えば試乗車に装備されていたインディゴブルーのレザーチェスターシートは、そのダイヤモンドステッチの入れ方など、BMW『7シリーズ』を彷彿させるもので、非常に設えが良い。電動シートを採用するのもこれが初めて。電動パーキングの採用も初である。

インテリアの作りは相変わらず巨大な丸型メーターをダッシュセンターにおいているデザインこそ変更はないものの、エアコン調節用ダイヤルと各トグルスイッチを配置したセンターコンソールはクロームの縁取りで囲まれ、上質感アップの工夫が凝らされている。

ラゲッジスペースは決して広いとは言えないものの、使い勝手は向上していて、特に2重底となって、上段を跳ね上げるとちゃんとストッパーが付き、高さのあるものを収納出来るようにする工夫も凝らされている。大きな違いはリアシートの広さだろう。これまではある程度我慢の強いられる空間でしかなかったリアだが、クラブマンに関しては完全に普通に乗れるスペースにまで拡大されている。というわけで、サイズは大きくなったものの、最も実用に供するうえでの諸機能を備えたモデルが、このクラブマンだということだ。

今回試乗したのは1.5リットル3気筒ツインパワーターボを搭載した「クーパー」の方である。トランスミッションは「クーパーS」の8速と違い、こちらは6速。ATのギア数が少ないと言っても、走りには影響はない。乗り出してすぐに感じたことは、アイドリングストップの技術が向上したということ。ほぼクルマが停車すると同時にエンジンが切れる。以前、BMWはこのエンジンの止め方が下手だった。かかる方も躾が悪く、どちらもブルンと体を揺すられたものだが、新しいミニというか新世代のBMWは、それが全くない。実に綺麗に止まって綺麗に走り出す。

パフォーマンスはこれで十分と思える。もちろん上を見ればきりがないから、速くてパワフルがお好きなら、クーパーSを求めればよい。3気筒であるがゆえの走りの質の落ちは感じなかった。独特のキレの良いハンドリングはちゃんと受け継がれているが、ホイールベースも伸びて、ボディ全体が大きくなっている関係で、以前のようなやんちゃな存在ではなくなった。

相変わらずステアリングのキレは鋭く、シャープだが、ではゴーカート感覚かと言われればそうではない。サスペンションはこちらも相変わらずショートストロークでボディは短い周期の揺れが入力されてしまう。しかしそれも従来のミニよりは快適になったのではないかと感じられたが、こればかりは直接比較したわけではないので断定はできない。

クーパーのベース価格は344万円だ。一応ナビを含め必要と思われる装備は標準だが、風情のあるダイヤモンドステッチの本革シートなどはオプション。個人的なチョイスとしてはクーパーSを買う40万円の価格差で、多少のオプションを追加したクーパーを選びたい。それでもインディゴブルーのチェスターシートだけで43.7万円(電動やメモリー機構を含む)もするからそれだけで予算オーバーだが…。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来37年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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