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【官能カーオーディオ!】“予算0円”のサウンド・チューニング術「バランス&フェーダー」のツボ

貴方の愛車のオーディオの音を、もっと良い音に変えられる方法がある。しかも、“予算0円”でできる方法が。それはズバリ「サウンド・チューニング術」。

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【官能カーオーディオ!】“予算0円”のサウンド・チューニング術「バランス&フェーダー」のツボ
  • 【官能カーオーディオ!】“予算0円”のサウンド・チューニング術「バランス&フェーダー」のツボ
  • バランスフェーダー設定画面「5:5」
  • バランスフェーダー設定画面「10:0」

貴方の愛車のオーディオの音を、もっと良い音に変えられる方法がある。しかも、“予算0円”でできる方法が。それはズバリ「サウンド・チューニング術」。

何かを“購入”するのではなく、今使っているオーディオを“操作”することで音を良くしようとするアプローチだ。そのノウハウを、今回から4回にわたって詳細に解説していく。

◆バランス&フェーダーで何が変わるのか

ところで、カーオーディオ機器にはさまざまなタイプがある。廉価なCDプレーヤー&チューナータイプからハイエンド・カーオーディオまでグレードも多種多様だ。そしてそれぞれで搭載されている「サウンド・チューニング」機能も内容が異なっている。

当シリーズではその中でも、比較的ベーシックな機能を題材にしていく。スタンダードなオーディオ機器を対象として記事を進めていくこととする。

というわけで今回は「バランス&フェーダー」をクローズアップする。これらで一体何が変わるのか…、といぶかる方もいらっしゃるかもしれないが、「バランス&フェーダー」は意外とあなどれない。

最初に、これらが何なのかご説明しておこう。ほとんどの方がご存じだとは思うが、改めて…。

まずは「バランス」。これは、“左右の音量バランスを調整する機能”である。そして「フェーダー」は、フロントとリアの音量バランスを調整する機能だ。

◆フェーダー「10:0」と「5:5」の違い

早速、操作方法をご紹介していこう。妙味はフェーダー調整にあるのだが、それについては当回の最後にご紹介する。まずは一旦、フェーダーを10:0(フロントを10)にしていいただきたい。

後ろに人を乗せているときは5:5にすべきだが、自分1人でドライブしているときは、10:0が基本だ。なぜなら、それが“ステレオの基本”だからだ。

“ステレオ”とはおおざっぱに言ってしまうと、「音楽を、左右2本のマイクで録音し、それを左右2本のスピーカーで再生することで、擬似的に立体感を再現しようとする仕組み」である。ただ、実際のところは、バンドが「せーの」で演奏しそれを左右2本のマイクだけで録音することは希だ。各楽器を別々のトラックで録音し、“ミックスダウン”の段階で擬似的に各楽器の立ち位置を設定していく(パンニング)。こうして2chの音源として仕上げそれを左右2本のスピーカーで鳴らすと、音楽が立体的に聴こえてくる、という次第なのだ。

なので、“ステレオ音源”を楽しむときは、左右のスピーカーだけから音が聴こえてくればOKだ。ところがリアスピーカーを鳴らしてしまうと、右chの音が前から、そして後から聴こえてくる。同じ音がずれて耳に到達するので音像がぼやけ、しかも音像が前方に広がらない。「10:0」にしておけば、これに対処できるのだ。

お次はバランスだ。デフォルトでは5:5になっているはずだが、この状態だと、近い側のスピーカーの音が大き過ぎる。右ハンドル車であれば、右のスピーカーだけが鳴っているように聴こえるだろう。せっかく左右2chに音が分けられているのに、片側の音しか聴けていないのは残念だ。

そこでバランスを徐々に左側に寄せてみてほしい。そうするとだんだんとボーカルが中央に移動していくはずだ。ボーカルが左に行き過ぎたと感じたら戻す。そして、ボーカルがもっとも真ん中から聴こえてくる場所でバランスを固定する。

バランスとフェーダーがそれぞれ「5:5」だった状態と、調整後の状態の音を聴き比べてほしい。まずはこれだけで、がらっと聴こえ方が変わったはずだ。音色は変わらないが、音楽が目の前から聴こえてくるようになったと思う。それだけでも心地良さがぐっとアップする。いかがだろうか。

◆名付けて「低音増強大作戦」

さて、最後にフェーダーを使ったとっておきの“サウンド・チューニング術”を公開したい。

名付けて、「低音増強大作戦」。操作方法は以下のとおりだ。

「10:0」の『フェーダー』を、徐々に後ろ側へ振っていく。そして、音が後ろからも聴こえてきたら、また徐々に前に戻してみてほしい。

それを繰り返していくと、「音像は前にあるままで、低音が太くなったように感じられる」ポイントが見つかるはずだ。目安としては「8:2」くらいだろうか。音が後ろから聴こえてくるのはNGなので、ちょっと後ろを鳴らす、くらいがコツだ(車種ごとの室内形状の違いや、リアスピーカーの搭載位置の違い等々で、この効果が得られない場合もあるので、その際はご容赦いただきたい)。

なぜこのような効果が得られるのか、そのメカニズムも解説しておこう。

高域の音は指向性が強く真っ直ぐに飛んでくる。結果、音の発生源が分かりやすい。それに対して低域の音は指向性が弱い。回り込んで伝わってもくるし、音の出所がわかりづらい。

少しだけリアを鳴らすと、指向性の強い高域はシートなどに遮られて聴こえてこないのだが、低音はシートを回り込んで聴こえてくる。そしてその低音が少量のときは、前から聴こえてくる音と良い具合に混ざる(後ろから聴こえてくる感じはしない)。そうすると、低域の量感だけが増えたように感じられるのだ。

音楽は、土台が豊かになると深みが増す。ノリも良くなる。低域の質が上がると、音楽の楽しさがアップするのだ。

操作をして音が変わっていくのは、単純に面白い。興味が沸いた方は、ぜひぜひ、お試しを。

次回は、『トーンコントロール』を使った“サウンド・チューニング”術を公開する。

《太田祥三》

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