スズキから発売された新型『エスクード』は、新規投入車種として位置づけられ、これまで販売されてきたエスクードは『エスクード2.4』として併売される。
なぜこのような方法が取られたのか。スズキ第三カーライン製品企画の今枝怜史さんは、欧州と同じ『ビターラ』という名称にする案など、多くの議論があったことを認めたうえで、「スズキのこのサイズのクルマを新たに投入した際に、どうやったらユーザーにぱっと名前を聞いただけで、そのイメージを浮かべてもらえるかがポイントだった」と振り返る。
そこで、「“エスクード”というネーミングを聞くと、サイズ感や四駆性能が高いクルマだとイメージしてもらえる。この点が最も訴求したいところなのであえて新規投入車をエスクードとネーミングしたのだ」と説明する。
一方、継続販売されるエスクード2.4に関して今枝さんは、「新型エスクードでは、これまでのエスクードユーザーからは物足りないと感じる部分があるかもしれない」と明かす。それは、本格的なクロカンのイメージだ。「エンジンは縦置きでFRを基本とし、ラダーフレームが良いというユーザーに、新型を提案しても物足りなさを感じるかもしれない。そこで、併売を決断したのだ」と話す。
そして新型は、「そこまでの四駆性能は必要なく、街乗りがベースで、基本は二駆で走り、燃費も良くて、狭い道に行っても不安にならないようなクルマがいいというユーザーに勧めたい」とエスクード2.4との住み分けを語った。