【東京モーターショー15】電気の島、水素の山…ホンダ、スマートモビリティの課題に様々な提案 | Push on! Mycar-life

【東京モーターショー15】電気の島、水素の山…ホンダ、スマートモビリティの課題に様々な提案

ホンダは、東京モーターショー15「SMART MOBILITY CITY」(西4ホール)内にもブースを出展。10月29日に開催されたプレスカンファレンスでは、再生可能なエネルギーを使う最新モビリティを提案。様々な課題に様々な提案で貢献していくホンダの考え方を提案した。

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『モバイルEVコンセプト』は超小型モビリティの実現に向けて2人乗りとした
  • 『モバイルEVコンセプト』は超小型モビリティの実現に向けて2人乗りとした
  • 「SMART MOBILITY CITY」内のホンダブース
  • 燃料電池車として発売される「クラリティ フューエル セル」
  • 「Blue Skies For Our Children」をテーマに、プレスカンファレンスでは再生可能エネルギーを中心としたスマートモビリティについて語った
  • マーシャル諸島では再生可能エネルギーを使った実証実験を日本政府支援の下でスタート
  • マーシャル諸島ではフィットEVが再生可能エネルギーで作った電力で動いている
  • 脱着式バッテリーを採用する『モバイルEVコンセプト』
  • 脱着式バッテリー

ホンダは、東京モーターショー15において、東ホールでの本展示とは別に、西4ホールの「SMART MOBILITY CITY」内にもブースを出展。10月29日に開催されたプレスカンファレンスでは、再生可能なエネルギーを使う最新モビリティを提案。様々な課題に様々な提案で貢献していくホンダの考え方を提案した。

ホンダはまず、クルマがコミュニティの中でどんな存在になるのか、もっと安心な暮らしに貢献できるのか、この2つのシーンを紹介した。

ひとつは電気の島。「EVを再生可能なエネルギーで走らせることができれば、エネルギーコストが低減でき、もしもの時でも安心。しかも海面上昇など、地球温暖化問題にも対応できる」(ホンダ)ことになる。たとえばマーシャル諸島共和国では、燃料の調達コストと温暖化による海水面の上昇が問題になっている。「ホンダは日本政府支援の下、共和国政府と太陽光発電に連携した充電システムを『フィットEV』などにより、燃料費低減とCO2削減に向けた取り組みに着手した」という。

では、再生可能なバッテリーがもっと使えるようになったらどうか。ホンダはこれに対して「バッテリーがコンパクトで様々なモビリティで活用できるようになると、もっと生活が便利になる」と考えた。特に「現在のEVはバッテリーの充電時間が課題。『モバイルEVコンセプト』で使うバッテリーはコンパクトで着脱可搬型。予備バッテリーを用意しておけば交換作業だけで済む」(ホンダ)。それだけではない。「バッテリーはバイクなどの他のモビリティにも使え、家庭用電源としても使える。汎用製品やバイクなどを手掛けるホンダだからできた」とした。

もう一つが水素の山。「水素はバッテリーよりも小さな容積に貯めることができ、長期保存にも適している」とし、その中でホンダは燃料電池車『クラリティ フューエル セル』を発表した。燃料電池車は用途をクルマだけに限らず、クルマをパワースポットとして利用するのだ。しかし、「家庭用は交流で、家庭用機器を使うには直流を変換するインバーターが必要。ホンダは『パワーエクスポーター9000』をクラリティ フューエル セルと合わせて発売。9KVAという大容量の交流電源を供給しながら、トランクにも収まる可搬型を実現した」という。

見逃せないのはパワーエクスポーター9000で供給される電力が高品質であること。「医療機器ではこれが重要になる。ホンダは鳥取大学医学部と共同で、避難所における活用の可能性を実験」(ホンダ)。その結果、CEATEC JAPANでは「クリーンイノベーション部門グランプリ」を受賞。その評価はグローバルに広がっているという。

また、建物への電力供給では、V2Hに対応した「パワーマネージャー」が活躍する。これを使えば、EVに充電できると共に、燃料電池車などから建物へ電源を供給可能になる。「この2つを合わせ、モビリティが暮らしを支える社会を実現させる」と将来への目標を語った。

水から水素を作り出すシステム「スマート水素ステーション」を岩谷産業と共同開発したことも説明。「コンパクトなサイズで設置が容易。静粛性も高い。電気と水さえあれば水素を作って貯めておき、いつでもクルマに供給することができる」(ホンダ)。また、このステーションでは「一般住宅1ヵ月分の電力を作り出せる。和光本社で今月より稼働開始しており、今後は自治体と共に普及に努めていく」とした。

最後に結びとして、「“つくる、つかう、つながる”社会を提案する中で、エネルギーインフラが脆弱な島や陸の孤島、急速に人口が集中するゼロからの街作り、巨大でイノベーションが求められている大都市等、様々な課題に様々な提案を行い、平時はもっと快適に非常時は安心な暮らしの実現に貢献していく」と説明。ホンダが目指す、将来のスマートモビリティの考え方を示した。

《会田肇》

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