サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #77: デモカー・Audi ハイレゾ化への道 #07 番外編 Part.1 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #77: デモカー・Audi ハイレゾ化への道 #07 番外編 Part.1

アンティフォンのデモカー・Audiにおける松居さんの取り組みを実況リポートしてきたが、今週から2回にわたってその番外編をお届けする。前回までで取り敢えずのゴールをみたものの、それに付随してとある興味が松居さんの中で生まれたのだ。もしそれが有効なものだとわかれば、カーオーディオの可能性がさらに広がるはず…。さて、その新たな興味とは…。

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サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


アンティフォンのデモカー・Audiにおける松居さんの取り組みを実況リポートしてきたが、今週から2回にわたってその番外編をお届けする。前回までで取り敢えずのゴールをみたものの、それに付随してとある興味が松居さんの中で生まれたのだ。もしそれが有効なものだとわかれば、カーオーディオの可能性がさらに広がるはず…。さて、その新たな興味とは…。

デモカー・Audiのオーディオを進化させる試みを続けてきた。純正オーディオを核とするシステムでのHi-Fi化と“ハイレゾ”化。以上の2つがテーマだった。

この試みの中で印象的だったのは、“ハイレゾ”化のためのキーユニットとなった、スピーカープロセッサーであるヘリックス『DSP-PRO』の高性能ぶり。このプロセッサーは、96kHz/24bitで演算を行う“ハイレゾ”なプロセッサーである。この効果はアナログ入力された純正音源にも劇的な変化をもたらした。さらには、iPodの音楽性の高さにも気づかされた。それもこれも、このプロセッサーのスマートなマトリックス機能とA/Dコンバーターの性能が、“ハイレゾ”だからなのかもしれない。

そこで…。

iPodがこれだけなのであれば、ハイレゾ・ウォークマンならどうなるだろうかと思い浮かんだ。

ここ数年ヘッドフォンオーディオがとても盛り上がっている。製品もエスカレートしていて、ダイナミックタイプで30万円の高級ヘッドフォンも登場しているほどだ。それに合わせるように、ウォークマンもハイレゾとなった。昨年の話である。

僕は、初代ハイレゾ・ウオークマンである『NW-ZX1』を所有している(今は『ZX2』が発売されさらにグレードアップしている)。初めて聴いてそのレベルの高さにビックリして飛びついた。ラジカセっぽくない「志の高い音」だと感じた。iPodより冷静で、落ち着きのある「プロ」っぽい音なのである。ハイレゾ音源を再生すると、とてもアナログなタッチでリアルを感じられる。

とはいえ今までは、出張など電車に乗って移動する時に使用する程度で、あまり多用はしていなかった。しかし、もしクルマで使って良い結果が得られるのであれば、ハイレゾ・ウォークマンをもっと有効活用できる。そう思い立ったたのだ。

カロッツェリアXのシステムには『CD-7X』という装置を使用していて直接USBメモリーに音楽を入れて聴いている。これと同等のしっかりしたソース源としてハイレゾ・ウォークマンをAudiで使用できれば…。

さらには次のようなことも考えた。このことを世に広められれば、カーオーディオに興味を持っていただける可能性も広がるのでは…、と。

早速テストを開始した。

ところで、ウォークマンの音楽信号を『DSP-PRO』で直接受けて再生する方法は2つある。アナログ出力(ヘッドフォン出力)を使用し、『DSP-PRO』のA/Dコンバーターを使って取り込む方法と、COAXまたはTOSリンクを経由し直接デジタル信号を入力する方法の2つだ。今回は、その両方をテストしてみた。

後者は、以下のような手段を講じると可能になる。『NW-ZX1』には拡張端子があり、外付けヘッドフォンアンプと接続したり、USBに変換してハイレゾを出力することができる。これを利用して、PC-AUDIOと同じ方法での再生も試みた。“Ifi-Audio”というイギリスのブランドが、これを可能にする小型のヘッドフォンアンプを発売している。これを使用すると『NW-ZX1』からCOAXのSPDIFに変換し、デジタル信号を『DSP-PRO』へ送ることができる。この方法を使えば、フルデジタルなハイレゾ・デジタル・カーオーディオシステムが完成する、という次第なのだ。


Ifi-AudioとNW-ZX1


ちなみに、アナログで受ける方法は、一見デジタルで受けるより劣っているように思われがちだが、この方法もあながち軽んじることはできない。アナログは無限大のデジタルなのである。特に『NW-ZX1』は拘りのヘッドフォンアンプなので、帯域幅いっぱいのサンプリングレートとダイナミックレンジは確保されるはずである。

さて、結果やいかに…。

『DSP-PRO』に内蔵されたA/Dコンバーターの性能と、“ifi-Audio”のD/D変換の差がどうあるか、と言うことになるのだが…。

実験結果は、次回にお届けする。楽しみにお待ちいただきたい。

《松居邦彦》

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