カーオーディオセオリー講座“ドアの音響学” #3: アウターバッフルとは何だ!? | Push on! Mycar-life

カーオーディオセオリー講座“ドアの音響学” #3: アウターバッフルとは何だ!?

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カーオーディオセオリー講座“ドアの音響学”
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今週で3回目となる当コーナー。良い音を獲得するためのカーオーディオ・セオリーについて解説している。

『ドアの音響学』と題し、スピーカー取り付けにまつわるあれこれをご紹介しているのだが、今回は『アウターバッフル』にスポットを当ててみる。大阪の実力ショップ、カーオーディオクラブの高橋さんにお話を伺い、先週取り上げた『インナーバッフル』との違い、メリット、構造、などを、詳細に掘り下げる。



最初に『アウターバッフル』についての基本的なことから解説していこう。



まず、根本的な役割について。先週の記事の中で、“バッフル”についていろいろと解説したが、『アウターバッフル』も“バッフル”の1タイプなので、その部分に関しては同じことがあてはまる。



おさらいしておこう。根本的な役割は2つ。「スピーカーを強固に固定すること」、「スピーカーの取り付けスペーサーとなること」、以上の2点だ。



その上で、『インナーバッフル』との違いは何なのかをみてみよう。大きな違いは見た目(構造)。『インナーバッフル』では、スピーカーは内張りパネルの内部に位置し、『アウターバッフル』では、スピーカーが内張りパネルとツライチとなる。これが大きな違いだ。



それぞれメリットも異なる。“インナー”のメリットは、「コストを低く抑えられる」、「純正の雰囲気を保てる」、以上2点。これに対して“アウター”のメリットは、「音がダイレクトに車室内に届く」。これらが一般的に言われているそれぞれのメリットだ。



さらに高橋さんいわく、“アウター”には「カスタムできる」というメリットもあるという。まさにその通りだ。内張りパネルまで加工することが“アウター”の宿命となり、だからこそ、どのように内張りパネルを加工するかという楽しみが生まれる。センスの見せ所にもなるし、取り組み甲斐は大きい。




カーオーディオクラブで製作した『アウターバッフル』の例。同店では、バッフル自体はドアの鉄板から立ち上げ、内張りパネルとは別体になっている構造を取ることが多いという。これもその例。内張りパネルと別体、とは言っても、デザイン的な一体感は万全だ。





(サムネールはクリックで拡大。拡大後は写真右側クリックで進む:左側クリックで戻る)



カーオーディオクラブで製作した『アウターバッフル』の例。同店では、バッフル自体はドアの鉄板から立ち上げ、内張りパネルとは別体になっている構造を取ることが多いという。これもその例。内張りパネルと別体、とは言っても、デザイン的な一体感は万全だ。#1
カーオーディオクラブで製作した『アウターバッフル』の例。同店では、バッフル自体はドアの鉄板から立ち上げ、内張りパネルとは別体になっている構造を取ることが多いという。これもその例。内張りパネルと別体、とは言っても、デザイン的な一体感は万全だ。#2
カーオーディオクラブで製作した『アウターバッフル』の例。同店では、バッフル自体はドアの鉄板から立ち上げ、内張りパネルとは別体になっている構造を取ることが多いという。これもその例。内張りパネルと別体、とは言っても、デザイン的な一体感は万全だ。#3


カーオーディオクラブで製作した『アウターバッフル』の例。同店では、バッフル自体はドアの鉄板から立ち上げ、内張りパネルとは別体になっている構造を取ることが多いという。これもその例。内張りパネルと別体、とは言っても、デザイン的な一体感は万全だ。




さて、ここからは『アウターバッフル』の音的なメリットについて、さらに掘り下げていきたい。



まず、「音がダイレクトに車室内に届く」ことの意味から考えてみよう。『インナーバッフル』の場合、大なり小なりスピーカーから発せられる音が内張りの中に入り込んでしまうが、『アウターバッフル』ではそれがなくなる。先週の記事で書いたように、プロショップでは、『インナーバッフル』の製作において、それを最小限に防ぐための対策を講じてはいる。しかし『アウターバッフル』ならば、そもそもその心配はないのだ。



さらなるメリットもある。



高橋さんいわく、「大きく作れる」ことが音的に大きなメリット、とのことだ。面積も厚みも、すなわち全体の容積を大きく作れることが、音に対して有利に働くという。



具体的に挙げると、以下の3点においてメリットが発生するとのこと。1点目は、奥側の開口部を大きく加工することができ、背圧のコントロールがしやすくなること。2点目は、安定度が増すこと。スピーカーを強固に固定するのに有利になるのだ。そして3点目は、立ち上がり量を大きく取れるので、奥行きのあるスピーカーのインストールも可能になること。



製作は大がかりになるが、音に対して良いことずくめ。強いて不安点を上げれば、加工が大変(工賃がかかる)ことと、スピーカーが向き出しになるので、足で蹴ってしまう心配がでてくる、ということくらいだろう。後者に関しては、グリルを付けるなどして対策を講じれば心配は相当に軽減されるのだが。




こちらも、カーオーディオクラブ製作の『アウターバッフル』のいろいろ。それぞれ、内張りパネルとは別体になっている仕様だ。どれもベース部分の大きさを十分に取って作られていることが分かる。それぞれ、強固な固定と背圧コントロール、この2点に十分配慮されて製作されている。





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こちらも、カーオーディオクラブ製作の『アウターバッフル』のいろいろ。それぞれ、内張りパネルとは別体になっている仕様だ。どれもベース部分の大きさを十分に取って作られていることが分かる。それぞれ、強固な固定と背圧コントロール、この2点に十分配慮されて製作されている。#1
こちらも、カーオーディオクラブ製作の『アウターバッフル』のいろいろ。それぞれ、内張りパネルとは別体になっている仕様だ。どれもベース部分の大きさを十分に取って作られていることが分かる。それぞれ、強固な固定と背圧コントロール、この2点に十分配慮されて製作されている。#2


こちらも、カーオーディオクラブ製作の『アウターバッフル』のいろいろ。それぞれ、内張りパネルとは別体になっている仕様だ。どれもベース部分の大きさを十分に取って作られていることが分かる。それぞれ、強固な固定と背圧コントロール、この2点に十分配慮されて製作されている。




最後に、『アウターバッフル』のタイプについても触れておきたい。ひと口に“アウター”とは言っても、製作方法はいろいろだ。大きく分けると2つになる。



1つ目は、“インナー”から立ち上げて“アウター”化し、内張りパネルとは別体になっているタイプ。内張りをドアから外すと、スピーカーはドアに残ることになる。



もう1つは、内張りパネルと“アウター”部分が一体化しているタイプ。このタイプはさらに以下の2種類に分けられる。鉄板から“インナー”を半分ほど立ち上げて、内張りをドアに戻すときに“インナー”と“アウター”を合体させるタイプと、鉄板から立ち上がる部分まですべてが内張りパネルと一体になっているタイプ、以上の2つだ。



これらはそれぞれのショップが、その都度意図を持って作り分けている。デザインの問題や、内部の構造上の問題など、いろいろな要素が加味されて構造が決定される。なので一概に、どのタイプが音に有利であるかは言えない。ただ、内張りと別体になっているタイプには、スピーカーの発生する振動が内張りに伝わりにくい、というメリットはあるようだ。



さて、『アウターバッフル』とは何なのか理解していただけただろうか。ドアの内張りパネルを加工したくない、ということなら“アウター”化はNGだが、音にとって有利な形にしたいとなれば、“インナー”より“アウター”のほうに分があることは間違いない。カーオーディオを楽しむなら、いつかは『アウターバッフル』に挑戦してほしい。新たな感動を味わえるはずだ。

《太田祥三》

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