不定期・気分次第連載 ゆるゆるMycar-lifeデモカー製作記 #12: 静粛性を追求する! Part.6 | Push on! Mycar-life

不定期・気分次第連載 ゆるゆるMycar-lifeデモカー製作記 #12: 静粛性を追求する! Part.6

当初の予定とだいぶ内容が変わった施工を行うMycar-lifeデモカー GOLF V ヴァリアント。費用対効果を考えた提案をしてもらっているので作業が変わっても期待はしてしまう。ではどういった施工を行ったのか、その作業をご紹介。

カーオーディオ デモカー製作記
不定期・気分次第連載 ゆるゆるMycar-lifeデモカー製作記

当初の予定とだいぶ内容が変わった施工を行うMycar-lifeデモカー GOLF V ヴァリアント。費用対効果を考えた提案をしてもらっているので作業が変わっても期待はしてしまう。ではどういった施工を行ったのか、その作業をご紹介。


スピーカーグリルの加工スピーカーグリルの加工


まずは純正位置のスピーカーグリルの加工から進めていく。インナーでの施工で一番問題となってくるのがスピーカー前面の『開口率』。要はインナーだとスピーカーの目の前に障害物がある状態なので、余計な反射や音自体が遮られる=情報量の低下・抜けの悪さに繋がる。今回の施工でこの部分を極力解消しようということだ。サックリと切り取られた純正スピーカーのグリル部分。切りっぱなし状態だと開口率は上がるがあまりにカッコ悪い。そこで出来るだけ音の邪魔にならないグリルを新たに作成する。


スピーカーグリルの加工


グリルのベースはカーオーディオプロショップに欠かせないMDFを使い、くり抜いた純正グリルと同型の板を作成。1cm程度の縁を残した状態でリング状に加工していき仕上げにサランネットを巻くことで完成。純正グリルに比べると開口率が大幅にアップするのはもちろんのこと、純正然の雰囲気を崩したくない人でもスンナリ受け入れられるデザインとなる。これを内張に固定することでグリル加工の完成だ。


デッドニング強化デッドニング強化


続いてデッドニング強化になるのだが、使用するのはデッドニング材として日本で販売されている製品としては最強クラスの性能を誇るStP Aero BOMBを使用する。何度もMycar-lifeで取り上げているが、ブチル層・アスファルト樹脂層・アルミ層の3層構造で、旧モデルと比べて薄くなり軽量化されながらも性能は大幅アップを果たしていて、制振・吸音・遮音とハイレベルな性能を発揮する製品だ。これを全面に貼ることで、先にやってあったデッドニングで弱い部分を補強し、今回の施工でドア自体を補強することになる。デッドニングのキモはドア鉄板の強い部分と弱い部分を見極めて、まずは弱い部分を補強してから全体の補強を考えトータルで強くすることが重要。弱い部分を先に補強しないと全体を補強した所で強い部分に対して弱い部分は弱いままとなる。全体のバランスを考えて行うのがプロのデッドニングと言えよう。仕上げにこれもStPの吸音材であるBIPLAST PREMIUM5mmを貼ることで余計な音が出てこないように、そして外からの音を出来るだけ遮断・吸音するために全体へ貼っていく。


デッドニング強化デッドニング強化デッドニング強化


内張のデッドニングも欠かせない要素の一つ。基本的に内張はPP素材で出来ていて、かなり振動を伝えてしまう物が多い。振動するということは音を発生させるわけで、その音は不要な音として車室内に発せられるのだが、その音が音の曇りに直結してしまう。いい音にしたい! ということはスピーカー以外から余計な音をさせないということが非常に重要となってくる。ここでもStP Aero BOMBを使って、押したり叩いたりしながら適量を貼っていくことで弱い部分を重点的に補強をしてから仕上げにインナーパネルと同じようにBIPLAST PREMIUM5mmを全体に貼ることで余計な音を大幅に遮断することが出来る。更に今回はスピーカー背圧の拡散にも注目してREAL SCHILD ディフュージョンをスピーカー裏中心にブロック状で手の届く範囲に貼っていくことにする。背圧を処理することでスピーカーの動きがスムーズになったり音の濁りの原因となる定在波の緩和に繋がる重要な処理だ。


内張を戻して完成


そして内張を戻して完成となる。見た目は予想以上に気に入ってしまいニヤニヤと長い時間眺めてしまう出来映え。そして一番重要な音なのだが…明らかに違いが分かった。一番驚いたのがSN感の向上で車室内の静けさが明らかに違い、そのお陰で発せられる音の立ち上がり方やスピード感がまるで違っている。音のメリハリがしっかりとついていてクォリティーを向上させながら『鳴っている感』を強く感じられるようになった。そして大幅に曇りの無くなった音質は見晴らしよくシャキッとした音楽を奏でてくれる。以前のステージングが曖昧に思えてしまうぐらい定位がしっかりとして高精細な広がりを感じさせてくれる。本格的なカーオーディオになってきたなぁという実感が持てる仕上がりとなった。

徐々に進めていくカーオーディオはこういった変化を何度も楽しめるのが嬉しい。ただ注意したいのは『何かをやったから良くなった』と思わないこと。色んな製品の追加、色んな加工をすることで音が『変わる』のは間違いないのだが、果たしてそれが本当に『音が良くなったのか』というのは別問題。そこの見極め、聞き分けが出来るようになるとカーオーディオは無駄なくもっと楽しくなるので勉強して欲しいと思う。また次のステップアップに向けて色々考えて進めていきます。

《藤澤純一》
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