話題のパワーアンプ、カロッツェリアX・RS-A09Xの実力について、プロフェッショナルに訊いているこのシリーズ。今週は、大阪の有名店、Avカンサイの岩元さんにお話をお聞きした。RS-A09Xに対する岩元さんの評価とは…。
せっかくの機会なので、カロッツェリアXに対する思いからお聞きした。
「日本のハイエンドカーオーディオを支え続けている存在であることは、間違いないですよね。大手国産カーオーディオメーカーがことごとく市場から撤退している中、唯一、魅力的な製品を出し続けています。まず、そこに対して敬意を払いたいですよね。
カロッツェリアXの良さは何かと聞かれたら、ぼくは『使いやすさ』にあると思っています。特に、サウンドチューニングを行う際の操作性でそれを感じます。クロスオーバー、イコライザー、そしてタイムアライメント。さすがはタイムアライメントをカーオーディオに導入した先駆者ですし、使う側の視点に立った環境を用意してくれていると思うんです。そして、ソースの切り替えや、次にどのトラックを聴こうかとか、そういう普段何気なく操作する部分においても、スムーズに行えるところが気に入っています。ユーザーに対する配慮が行き届いていると思うんです。細かな部分にまで、さすがはパイオニアだ、という気遣いを感じますよね」
さて、肝心のRS-A09Xについて、である。
「そのカロッツェリアXの誕生20周年記念モデルです。20年と考えると感慨深いですよね。
初めて音を聴いたのは、メーカーの発表会です。A99Xと比較試聴する形で聴きました。A99Xと比べて良くなっていることは明らかです。SNとドライブ能力の向上が、特に大きいと感じました。
もうすでに、何台かのクルマに装着していますが、A99Xとの比較で考えると向上の幅は相当に大きいと感じています。ダンピングファクターの向上が著しいですよね。スピーカーをしっかりと止めてくれるようになりました。締まった低音が聴けます。低域の表現はオーディオにおいてとても重要ですから、その部分で良さが顕著であることに、とても好感を持ちますね。
それに付随して中・高域も、大人な鳴り方になりました。しっとりと充実した音を聴かせてくれています」
ところで、このRS-A09Xの登場が、今後のパイオニアカーサウンドコンテストに何か変化を与えたりはするのだろうか…。
「そもそも来年からはワンメイクのコンテストになるわけですから、そのことのほうが影響が大きいですよね。よりシビアな戦いになることは間違いない。でも、そこにやりがいを感じています。オールパイオニアで、誰が一番理想の音を出せるのか。技術力と感性だけの勝負です。挑戦しがいがありますよね。そして、このA09Xをどう使いこなすか。そこが鍵になってくるんじゃないでしょうか。お客さんと一緒に、今からとても楽しみにしています（笑）」
最後に、今後のカロッツェリアXに対する思いや要望もお聞きした。
「これからも、ハイエンドカーオーディオをリードし続けていってほしいと思っています。期待したいのは、カーオーディオへのハイレゾの普及です。ハイレゾが素晴らしいのは紛れもない事実で、ソニーの動きを見ても、これからは加速度的に広まっていくと感じています。それが深まっていったとき、カーオーディオがその流れから取り残されていてほしくないですよね。パイオニア、そしてカロッツェリアXには、今後も業界をけん引していってほしいと、心から願っていますし、これからは、カーオーディオのハイレゾ化でも、リーダーシップを発揮してほしいですね」
