サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #46: 第6章 『ハイレゾ』とは何か その魅力、可能性について考える Part.4 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #46: 第6章 『ハイレゾ』とは何か その魅力、可能性について考える Part.4

#46:
第6章 『ハイレゾ』とは何か その魅力、可能性について考える Part.4

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サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#46:
第6章 『ハイレゾ』とは何か その魅力、可能性について考える Part.4


話題の『ハイレゾ』について松居さんに解説していただいている当シリーズも、今回で最後。当回では『ハイレゾ』の今後について語っていただいた。『ハイレゾ』の普及により、音楽の楽しみ方や、そしてカーオーディオはどう変わっていくのだろうか…。


これまで3回に渡って、僕なりにハイレゾとは何かについて書かせていただいてきた。今回はその最終回として、今後ハイレゾはどのように浸透していくのか、ということについて、思いを巡らせてみたいと思う。

まず、ハイレゾの音源だが、これを手に入れる方法は、音楽配信サイトからのダウンロード、ということになる。ダウンロードした音楽ファイルを、家庭用ネットワークプレーヤーやAVアンプ、ハイレゾ対応ウォークマン等、色々な装置に移し替えて楽しめる。

つまり、レコードやCDのようなパッケージメディアではなくなるのだ。

僕のようなアナログレコードで育った世代にとって、何となく寂しい感もある。買ったばかりのレコードを聴きながら、ライナーノートを読む、といったパッケージメディアならではの楽しさはここにはない。

しかし、配信で手に入れる音楽ファイルという形態には、“利便性”という大きなメリットがある。音質がよく、しかも便利。ここにハイレゾの可能性が秘められているのだと思う。

本が電子書籍に変わっていくのと同じで、これが未来なのだ。パケット通信インフラが発達する中、紙やメディアがない時代に近づいている、のだ。

ただ、ピクチャーやライナーといった情報もスマートに観られる環境も整いはじめている。これらも紙ではなく、データで手にすることになる。ジャケやライナーそのものがなくなるということはない。

さて、今年発表された、ソニー・ウォークマンのハイレゾ化は、僕にとってインパクトが強いニュースだった。まだ手元に届いていないが、ZX-1というハイレゾ対応ウォークマンを注文してある。到着が待ち遠しい。フルハイビジョンが4Kになるのと同じく、リアル感「実物感」が格段に上がっているはずと期待している。

パッケージメディアの消滅に一抹の寂しさを感じながらも、僕はハイレゾに大いに期待している、というわけなのだ。

早くカーオーディオの世界にもハイレゾが来てほしいと願っている。

ナビ画面全部を利用し(ナビゲーションとして使用しない時)、タブレットのようにアーティスト、アルバム、ジャンル、年、を音声認識で検索したり、任意のプレイリストを作ったり、そんなことができる時代が、遠くない将来に、きっとやってくると、僕は思う。

カーオーディオは、周りを気にせずに、1人で、移動時間を利用して(または作って)、音楽演奏の中へ没入するのに最適なサイズの空間である。機器のレベルも家庭用高級機と肩を並べるまでになっている。ハイレゾ化する効果が最も高いカテゴリーであると、僕は考えているのだ。

その日がいつ来るのかは、今現在はまだ明確にはなっていない。これくらいでは当たり前と言われる時代に早くなってほしい。ネットワークで音楽を購入することが一般的になっていけば、会員制のサイトとかが出来て、プレミアムなバージョンが聴けたりして、アーティストとの距離も今より近くなる可能性もある。さらなる利点が生まれてくることも期待できるのだ(ベルリンフィルは会員制で、定期公演などの模様をアーカイブしている)。

このように、音質だけにとどまらない、大きな可能性を感じずにはいられない。

カーオーディオのハイレゾ化…。心待ちにしている今日この頃、なのである。

《松居邦彦》

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